ズッキーニの素晴らしい健康効果と栄養価:美容効果からダイエット効果まで徹底解説
ズッキーニの概要とその魅力
ズッキーニは、夏野菜の代表格として多くの家庭やレストランで愛されています。その鮮やかな黄色や緑色の見た目と、さまざまな料理にマッチする柔らかな風味は、食卓を華やかに彩ってくれます。しかし、ズッキーニの魅力はその見た目や味だけではありません。実は、ズッキーニには驚くべき健康効果と栄養価が詰まっています。
かぼちゃの仲間であるズッキーニの歴史と起源
きゅうりによく似た形のズッキーニ、同じウリ科ですがカボチャ属に属している一年草です。原産はアメリカ南部からメキシコに生育していたペポカボチャだと言われ、大航海時代真っ盛りの16世紀にアメリカ大陸からヨーロッパに渡って、今のズッキーニの様に細長い形へとイタリアで品種改良されたとされています。イタリア語でカボチャ(zucca)に小さいという意味が加わる ina を付け加えて「zucchina(ズッキーナ 小さなカボチャ)」と呼ばれていました。
その後、アメリカに19世紀逆輸入されZucchini(ズッキーニ)になりました。日本には戦後まもなくアメリカから入ってきましたが普及されず、一般的に普及が始まったのは1980年頃からになります。その後1989年頃からイタリア料理ブーム(通称イタ飯ブーム)も相まって、ズッキーニも日本で一般的な野菜になっていきました。
ズッキーニの栄養価と健康効果
ズッキーニはビタミンC、β-カロテン、カリウム、マグネシウムなど健康に良い栄養素を多彩に含んでいます。これらの栄養素は、免疫力の向上、視力の維持、心臓の健康維持、そして骨の強化などに役立ちます。また、ズッキーニは水分が多く、食物繊維も含まれているため、消化を助ける効果もあります。
ズッキーニはカボチャの仲間ですが、100g当たりのカロリーは16kcalと低く、低糖質でヘルシーなのに対し、カリウムやマグネシウムのようなミネラル、ビタミンCやβーカロテンなどのビタミンが豊富で、健康維持には抜群の効果がある夏野菜の1つです。
心臓など循環器の健康改善にズッキーニ
ズッキーニ100g当たり320mgのカリウムを含んでおります。通常、人体の内部の濃度を一定に保とうとする為、食事等で塩分(塩化ナトリウム)を取ると、体内の血管内や細胞内のナトリウム濃度が濃くなってしまいます。そのままですと、細胞などにダメージを与えてしまうので、身体は水分を取り込んで体内の濃度を一定に保とうとします。しかし、身体に多くの水分を取り入れる為、血管内の総量は増えてしまい、それを高血圧と呼びます。また細胞内も濃度を一定にしようと水分を取り込みふくらみ、俗に「むくむ」という状態になってしまいます。
この時、ズッキーニなどに含まれるカリウムを摂取すると、体内に過剰に溜まっていたナトリウムを排出するのを助けてくれる為、体内の濃度が下がり、それに伴って一緒に水分も排出され、高血圧やむくみの改善が期待できます。
また、ズッキーニに含まれるマグネシウムも交感神経を抑制することによって、血管を拡張させ血圧を下げる効果があります。またマグネシウムには心筋梗塞を予防する効果があります。
この様にズッキーニに含まれるカリウムやマグネシウムや心臓や血管トラブル(高血圧による動脈硬化など)を予防してくれます。
ズッキーニよる目の健康ケア
ズッキーニに豊富に含まれるβーカロテンは摂取後体内でビタミンAに変化します。このビタミンAは様々な体の健康維持に必要なビタミンです。
ズッキーニに含まれるビタミンAの効能
- 視力の維持:ビタミンAは暗い時の視力の維持をしてくれます。ビタミンAが不足すると夜盲症などの目の不調の原因になります。
- 免疫機能強化:ビタミンAは健常な免疫細胞の維持に必要な栄養素です。また異物を体内に入るのを防ぐ粘膜の維持にもビタミンAは必要となります。このように健康維持にビタミンAは必須の栄養素になります。
- 抗酸化作用:細胞を劣化させて老化などのトラブルを起こしてしまう活性酸素に対抗する力をビタミンAは持っています。これによりガンや心筋梗塞など様々なトラブルを回避することが期待できます。
- 皮膚・粘膜の維持:皮膚や粘膜を健常に維持し、乾燥などによるトラブルを回避してくれます。
厚生労働省による一日に必要なビタミンAは成人男性で800~900μgRAE/日、成人女性で650~700μgRAE/日です。
ズッキーニに含まれる100g当たりのβーカロテン310㎍=ビタミンA155μgRAEに当たるので、100gで1日の20%ものビタミンAを摂取することができます。もちろんビタミンAをズッキーニだけで摂取するのではなく、様々な食物から摂ることが推奨されています。
※ビタミンAの摂取量を表す単位として「レチノール活性当量(RAE)」と表記されます。RAEは、動物性食品に含まれるレチノールと植物性食品に含まれるカロテノイドの量を合わせた値で、プロビタミンAをレチノールで換算した値を示す単位です。1μgのレチノールは1μgRAEと表記され、1IU=0.3μgRAEに換算できます。
ただし、健康に良いビタミンAも過剰摂取には注意が必要です。過剰に摂取すると、頭痛、吐き気、皮膚の乾燥、肝臓障害などの健康リスクを引き起こす可能性があります。
通常の食事で過剰になることはほとんどありませんが、サプリなどで過剰にビタミンAを摂取することは控え、適切な摂取量を守ることが健康において重要になります。
若々しい身体を維持するズッキーニ
ズッキーニにはビタミンA(β-カロテン)だけでなく、強い抗酸化作用を持っているビタミンCも豊富に含まれています。
よく聞くビタミンの代表格のビタミンCですが、以下のように健康維持に非常に大切な栄養素となります。
ズッキーニに含まれるビタミンCの効能
- 抗酸化作用:ビタミンA同様に非常に強い抗酸化作用があります。これにより細胞の劣化によるガンなどのリスクを軽減してくれます。
- 免疫機能向上:ビタミンCは免疫細胞を活性化させ、感染リスクの低減をしてくれます。
- 貧血予防:ビタミンCは血液を作るのに必要な鉄分を体内に取り込むのを助ける役割があります。鉄分豊富な食材と一緒に摂ることによって、より効率よく鉄分を吸収でき貧血の予防に役立ってくれます。
- 美肌効果:ビタミンCはコラーゲン生成に必要なビタミンとなっています。これにより健全な皮膚や骨の維持を行ってくれます。またビタミンCは紫外線によってダメージを受けた皮膚のシミやたるみを防ぐ効果もあります。
ズッキーニに含まれるビタミンCによって細胞の劣化を予防し、貧血にならず活動的に動け、皮膚トラブルの予防も期待できます。
この様にズッキーニに含まれる栄養素によって循環器を整え、目を整え、若々しい身体を維持してくれます。また東洋医学ではズッキーニは薬膳の一種として「西葫芦」と呼ばれ、暑邪の季節である夏の夏のおススメの食材となります。水分代謝を行う「腎」の作用があるとされ、身体から熱を出し、潤いを保ち、利尿作用があるとされています。
西洋東洋ともに体に良い食材と言われるのが「ズッキーニ」なのです。
エネルギー | 水分 | たんぱく質 | 脂質 | 食物繊維 | 炭水化物 |
16kcal | 94.9g | 1.3g | 0.1g | 1.3g | 2.8g |
ナトリウム | カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 |
1mg | 320mg | 24mg | 25mg | 37mg | 0.5mg |
亜鉛 | 銅 | マンガン | ヨウ素 | セレン | クロム |
04mg | 0.07mg | 0.15mg | Tr ㎍ | Tr ㎍ | 1㎍ |
モリブデン | βーカロテン | ビタミンD | ビタミンE | ビタミンK | ビタミンB1 |
6㎍ | 310㎍ | 0㎍ | 0.4mg | 35㎍ | 0.05mg |
ビタミンB2 | ナイアシン | ビタミンB6 | ビタミンB12 | 葉酸 | パンテトン酸 |
0.05mg | 0.4mg | 0.09mg | 0㎍ | 36㎍ | 0.22mg |
ビオチン | ビタミンC | 食塩相当量 | |||
2.7㎍ | 20mg | 0g |
ズッキーニ 栄養成分100g当たり【出典:文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年】より
ズッキーニのダイエット効果
ズッキーニは100g当たり16kcalしかなく、その上低糖質と豊富な食物繊維によってダイエット向きな食材です。
ズッキーニに含まれる食物繊維は便の総量を増やしてくれる不溶性食物繊維が1.1g、便の潤滑を助け腸内細菌のエサにもなる水溶性諸靴繊維が0.2gの合わせて1.3gの食物繊維が含まれています。
腸内細菌が食物繊維で活性化することによって脂肪の代謝と免疫機能が向上することが知られています。
また、ズッキーニに含まれるカリウムが体内の余分な水分を排出してくれることによってむくみの改善が起き、これによってダイエット効果が期待できます。
ズッキーニの効果的な摂取方法アドバイス
様々な料理に使えるズッキーニ、この章ではお奨めの摂取方法についてご紹介します。
生食
ズッキーニは生で食べることができます。例えば、ビタミンCなど、加熱によって壊れてしまう栄養素をそのまま摂取することができます。
お奨めレシピ
- ズッキーニをスライサーで薄切りにし、トマトやレタス、チーズと合わせてサラダにすることができます。オリーブオイルなどの油分を足すことで、β-カロテンなどの脂溶性栄養素も逃さずに摂取することができます。
- カルパッチョにする場合は、ズッキーニを薄切りにし、生ハムやチーズを乗せ、オリーブオイルや酢で味付けします。お酢の効果でサッパリ食べられるだけでなく、酢に含まれるアミノ酸も一緒に摂り込めより健康的な料理となります。
加熱調理
生のままですと食感が硬めなのが気になる場合は加熱調理もお薦めとなります。
お奨め調理法
- 蒸し料理: 蒸すことでビタミンやミネラルの損失を最小限に抑えることができます。軽く蒸すことでズッキーニの食感も保たれます。
- グリル: グリルすることで香ばしさが増し、他の食材と組み合わせやすくなります。オリーブオイルと一緒にグリルすることで、脂溶性ビタミンの吸収が良くなります。
- 煮込み料理:煮込みにすることによって、水溶性の栄養素を余すことなく摂ることができます。一緒に煮こむ食材に肉類を加える事によって、スープに溶けだした脂肪によって脂溶性の栄養素も取り込むことが期待できます。
摂取量と頻度の目安
- 1日の摂取量: ズッキーニは一日に約1本(200-300グラム)を目安に摂取すると良いです。これは食事の付け合わせやメインディッシュの一部として取り入れることができます。
- 頻度: 週に3-4回の摂取を推奨します。バランスの取れた食事を心がけるために、他の野菜やタンパク質と組み合わせて摂取しましょう。
これらのアドバイスを参考に、ズッキーニを美味しく、栄養価高く取り入れてみてください。
ズッキーニの保存方法と注意点
冷蔵保存
- 冷蔵庫の野菜室: ズッキーニは冷蔵庫の野菜室で保存するのが一般的です。温度が適度に保たれ、水分が保たれやすい環境が適しています。ポリ袋やジップロックバッグに入れて保存すると、乾燥を防ぐことができます。
- 湿らせたキッチンペーパー: ズッキーニを湿らせたキッチンペーパーで包み、それをポリ袋に入れて保存すると、新鮮さが長持ちします。
注意点
- 直射日光を避ける: ズッキーニを保存する際は直射日光を避けることが大切です。直射日光が当たると、ズッキーニの栄養素が劣化しやすくなります。
- 過度な湿度: 過度な湿度はカビの原因となるため、適度な湿度を保つように注意しましょう。
これらの保存方法と注意点を参考に、ズッキーニを安全かつ効果的に利用してください。
まとめ:ズッキーニを日常生活に取り入れるメリット
以上のように、ズッキーニはその見た目の鮮やかさと多彩な調理法に加え、豊富な栄養価と健康効果で私たちの食卓に欠かせない存在です。
古くから愛され続け、今なお進化を続けるズッキーニ。健康維持や美容効果、さらにはダイエットにも役立つこの野菜を、ぜひ日々の食生活に取り入れてみてください。
ズッキーニの魅力を最大限に引き出し、より豊かで健康なライフスタイルを楽しみましょう。
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