すっかり「夏」を代表する野菜ゴーヤ

　艶やかなゴーヤが青果売り場に並ぶと「すっかり夏になった」と実感します。昔は珍しい野菜でしたが、今はその栄養価とスッキリとした苦みですっかり人気の夏野菜のゴーヤ。

　そんなゴーヤは元々、インドや東南アジア諸国辺りが原産地で、中国から沖縄(琉球王国)には１５世紀前半に、日本には同じく中国から１５世紀後半(1596-1615)頃に伝来したようです。

　「ゴーヤ」は沖縄での名称で中国語の「苦瓜(クゥグア Kǔguā) 」が語源とされる説と、英語のヒョウタンを意味する「ゴード gourd」からと所説ある。(ちなみに英語でゴーヤは「Goya」）

　日本では長く「苦瓜(ニガウリ)」と呼ばれていたのは、おそらく中国伝来の時の漢字の「苦瓜(クゥグア Kǔguā)」をそのまま呼んでいたのでしょう。またゴーヤの事を「レイシ」と呼ぶこともありますが、この「レイシ(茘枝)」はライチの事で、ゴーヤを完熟させると皮はオレンジ色掛かり中の赤くなったゼリー状になった実は甘くなることから「蔓茘枝(ツルレイシ)」と呼ばれたことが由来です。

苦み成分が効く

　ゴーヤと言えばあの苦み。あの苦みの素は「モモルデシン」という２０種類以上のアミノ酸で出来た栄養成分で、胃の粘膜を保護したり、胃腸の活動を活発にする効果があります。ただし、どんな栄養素にも言える事ですが、過剰に摂取すると、必要以上に胃腸が活発になり、逆に荒れる原因になりうるので、適度に摂取するようにしましょう。

他の栄養素も豊富

　苦み成分の他にも健康に良いビタミン・ミネラル・食物繊維なども豊富です。

• ビタミンC:色々な野菜や果物に含まれるビタミンCですが、ゴーヤにも豊富に含まれていてレモンのおよそ1.5倍と言われています。ビタミンCには非常に強い抗酸化効果があるのと、コラーゲンの生成を助けるので美容効果が期待できる女性に嬉しい栄養素です。夏の強い日差しを浴びて皮膚にダメージを受ける夏には必要不可欠の栄養素ですね。
• ビタミンE:脂溶性の栄養素と知られるビタミンE、強力な抗酸化作用があり、細胞の酸化ストレスの改善、免疫機能の改善、炎症の予防など様々な効果があります。脂溶性のビタミンなので、油と一緒に摂取するとより吸収されやすくなるのでゴーヤチャンプルーなどの炒め物やゴーヤチップスなどの揚げ物は理に適っています。
• カリウム：カリウムは体内のナトリウムと共に、体内の濃度を一定に保つ為に必要な栄養素です。過度の塩分が体内にあると濃度を一定にしようと体内に水分が多く留まり「むくみ」ますが、カリウムに寄って塩分が排出されると一緒に水分も排出されるので、「むくみ」や「高血圧」の改善に寄与してくれます。
• 不溶性食物繊維：食物繊維は言わずと知れた通り腸内環境を整えてくれます。腸内を刺激して便意を促したり、腸内の善玉菌のエサにもなり更に腸内が改善されることが期待できます。

苦みを抑えるには

　ゴーヤの苦みが苦手という方もいらっしゃります、その苦みを和らげる方法はずばり塩。

　先ずゴーヤを薄切りにして調理する前に軽く「塩もみ」しておくこと、塩もみして、しばらく放置することによって、ゴーヤから水分が出てきて、その水分と一緒に苦み成分が抜けだしてくれます。小さなお子様がいる家庭や苦みが苦手な方はお試しください。

　ただし、前に書きましたが、水分と一緒に栄養素も抜けてしまいますし、塩もみすることによって食材に塩分が付加されますので、味付けや栄養については、それを考慮してお楽しみください。

ワタや種も有効活用

　ゴーヤを調理する際に、よく捨てられがちな「ワタ」や「種」ですが、実は栄養素の塊りです。ワタには果肉の1.7倍のビタミンCが含まれていると言われ。種には嬉しい脂肪燃焼効果が期待されるリノール酸が豊富に含まれています。

　簡単にワタの栄養素の摂取するレシピとしては、ワタや種ごと薄くスライスして油で揚げて塩で味付けしたサクサクした食感のゴーヤチップスはビールのおつまみにぴったり、もしくは同じくワタや種ごとスライスしたゴーヤをザルなどに載せて天日干しにして乾燥したものを煮出せばゴーヤ茶(ワタや種だけを干しても出来ます)として楽しめます。

良いゴーヤの見極め方

　鮮度の良いゴーヤはイボがしっかりしていて重みがあり、表面がツヤツヤしていて緑色が濃い物が良いゴーヤです。

ゴーヤまとめ

　ゴーヤは、栄養満点で苦味には食欲増進も出来、抗酸化、高血圧の予防、腸内環境改善、ダイエットにも効果が期待できます。せっかくなので、この夏はゴーヤを丸々楽しみ夏バテ知らずに健康に過ごしましょう。。