Categories: BLOG

研究が示す“マグネシウムと睡眠の関係”とは?毎日の食材でできる簡単睡眠改善法

「最近、眠りが浅い」「寝つくまでに時間がかかる」——そんなお悩みを抱えていませんか? じつは、体内のミネラルバランス、とくにマグネシウムが睡眠に影響しているかもしれないという研究が増えています。

マグネシウムは、神経や筋肉の働きを調整し、心と体をリラックスへ導くミネラル。 本記事では、科学的な研究で示されている“関係の可能性”を紹介しながら、 毎日の食事で手軽にマグネシウムを取り入れる方法をご紹介します。

 

 

研究から読み解く:睡眠とマグネシウムの関係

高齢者の不眠で、入眠や睡眠効率が改善した研究

高齢者を対象にしたイランのテヘラン大学の臨床試験によると、 マグネシウムを補うことで寝つきがよくなり、睡眠の効率も上がったという結果が報告されています。 つまり、マグネシウムには「眠りのリズムを整える」役割があるかもしれません。

摂取量が多い人ほど、睡眠の質が良い傾向も

アメリカの大規模な研究では、 マグネシウムの摂取量が多い人ほど睡眠時間が短くなりにくく、睡眠の質の自己評価が高いという傾向が示されました。 ただし、これはあくまで「関連」を示したもので、因果関係まではまだ断定できていません。

総合レビューの見解:関連はありそう、でも過大評価は禁物

複数の研究をまとめたレビューでは、 マグネシウムの摂取と睡眠の関係は肯定的に見られる一方で、サプリメントによる改善効果には個人差があるとされています。 つまり、まずは食事からの摂取で基礎を整えることが大切なんです。過度の期待により過剰摂取をして健康を害さないように気を付けましょう。

近年注目の「L-トレオネート型」マグネシウム

近年のアメリカの研究では、 マグネシウムL-トレオネートという新しいタイプのサプリを21日間摂取したグループで、 深い睡眠(深睡眠・REM)の割合が増えたという報告もあります。 形の違いで吸収経路が変わるため、マグネシウムの種類にも注目が集まっています。

 

ただし、サプリメントにおいては安全性への懸念があるのも事実です。日本の安全基準を満たしていてサプリメントを適正な量を守って摂取することが健康維持において非常に大切になります。

 

良質な睡眠のために:マグネシウムを多く含む日本の食材

サプリに頼らなくても、私たちの食卓にはマグネシウムが豊富に含まれる食材がたくさんあります。 ここでは、日本で手に入りやすく、毎日の食事に取り入れやすい食品を紹介します。

海藻類:ミネラルの宝庫

  • ひじき(乾):100gあたり約640mg。少量でも効率よく補えます。 煮物にしても良し炊き込みご飯の具としても優秀です。。
  • あおさ:100gあたり約3,200mg。味噌汁やお吸い物に少し加えて簡単に摂取することが可能です。

大豆製品:毎日の食卓に欠かせない

  • 納豆:1パックで約45mg。夕食に取り入れるとリラックス効果が期待できます。
  • 豆腐・豆乳:手軽に取りやすく、たんぱく質との相乗効果も期待されます。

(関連ブログ:納豆の健康秘密と世界の発酵大豆食品

魚類:マグネシウムも摂れる優秀な主菜

魚類はマグネシウムの含有量こそ「中程度」ですが、毎日の主菜としてとても優秀な食品です。 特に鮭・サバ・イワシ・アジなどは、マグネシウムに加えてたんぱく質・ビタミンD・オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)が豊富。 これらの栄養素は、神経やホルモンのバランスを整え、睡眠の質を高める働きにもつながります。

  • 鮭:1切れ(約100g)でマグネシウム約30〜35mg。焼いても調理しやすく、季節を問わず取り入れやすい魚です。
  • サバ:1切れ(約100g)で約35〜40mg。青魚特有のDHA・EPAも睡眠ホルモンの分泌を助けます。
  • イワシ:小ぶりながらミネラルが多く、骨ごと食べるとカルシウムとマグネシウムを同時に補えます。

魚を週に2〜3回取り入れることで、「マグネシウム+良質なたんぱく質+脂質バランス」を自然に整えることができます。 主菜の彩りとして、焼き魚・煮魚・ホイル焼きなどバリエーションを楽しみながら、心と体を整えてみてください。

 

(関連ブログ:なぜ日本人は鮭をこんなに愛しているの?

(関連ブログ:入梅いわしの美味しさの秘密

 

ナッツ・種実類:間食にぴったり

  • アーモンド(いり無塩):100gあたり約310mg。 一握り(20〜25g)でおよそ60mgほど摂取できます。
  • かぼちゃの種・ごま:炒ってサラダやスープのトッピングに。

全粒穀物・青菜:主食と副菜でバランスよく

  • 玄米・そば・オートミール:主食を少し置き換えるだけで摂取量がアップ。
  • ほうれん草:ゆでることで量を増やしやすく、味噌汁やおひたしにも◎。

かんたんに取り入れるコツ

  • 朝:オートミールにきなこ+すりごま
  • 昼:そばにほうれん草や刻みのりをトッピング
  • 夜:納豆や豆腐を一品追加、ひじき煮を常備菜に
  • 間食:素焼きアーモンドを一握り

 

摂取のポイントと注意点

  • 1日350mgを目安に:サプリメントからの摂取は上限350mg(成人)。 食事由来のマグネシウムは基本的に心配いりません。
  • 腎機能に不安がある方:過剰摂取は体内に溜まりやすくなるため、必ず医師に相談をしましょう。
  • 薬との相互作用:一部の薬(抗菌薬・鉄剤など)は、マグネシウムと時間をずらして摂取しましょう。
  • 急に大量に摂らない:お腹がゆるくなることがあるため、少しずつ試すのが安全です。

まとめ:まずは「食事で整える」から始めよう

マグネシウムと睡眠の関係は、科学的にも「関係がありそう」と注目されています。 ただし、個人差が大きいため、またサプリですと過剰摂取をしてしまい、逆に身体を壊す原因になる場合もあるため、サプリに頼る前にまずは食事から整えてみることが大切です。

今日の夕食に、ひじきや納豆を一品足す。 そんな小さな工夫が、あなたの「ぐっすり」を支える第一歩になるかもしれません。

 

参考文献・一次情報

 

城戸憲司

This website uses cookies.