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鰊(ニシン)の驚くべき健康メリット|オメガ-3脂肪酸で心臓・脳をサポートする食べ方と注意点

鰊(にしん)は、北海道や東北地方を中心に古くから日本の食文化を支えてきた魚です。とりわけ、心臓や脳の健康をサポートする成分として知られる「オメガ-3脂肪酸(EPA・DHA)」を豊富に含み、現代の食卓においても注目度が急上昇しています。さらに、高品質なたんぱく質やビタミンB群、ミネラル類もバランス良く含まれていることから、健康意識の高い方にはぜひ摂り入れていただきたい食材です。

 

本記事では、鰊の基本情報や主要な栄養素、そして心臓や脳への効果をはじめとした健康メリットを徹底解説します。さらに、身欠き鰊や数の子との関係性、調理法や注意点など、鰊を日常的に取り入れるための知識を余すことなくお伝えします。ぜひ最後までご覧いただき、日々の食事改善にお役立てください。

 

もう一つの日本の食文化を支えてきた魚なのに逆出世魚と呼ばれる「コハダ」についてはコチラ←

 

 

鰊(ニシン)とは?基本情報と歴史的背景

鰊は日本各地の食卓で長く親しまれてきた青魚の一種です。ここでは、鰊の生息地や特徴から、歴史的な背景まで掘り下げて解説していきます。

主な生息地と特徴

鰊は、寒冷な海域を好む魚で、日本では北海道や青森県などの北国を中心に漁獲されます。体長はおおむね25〜40cmほどで、銀色の鱗がきらめく細長い体形が印象的です。漁の最盛期は地域によって異なりますが、北海道沿岸では春(3〜5月頃)に沿岸へ回遊する「春ニシン」が有名です。一方で、脂がのりやすい時期としては冬から春先にかけてとされるケースもあり、地域や海域によって「旬」の捉え方がやや変わります。

日本の食文化と鰊

かつて北海道では大規模な鰊漁が行われ、その豊漁によって“鰊御殿”と呼ばれる豪壮な建物が建つほどに地域経済を潤しました。そこから全国各地へ干物や塩漬けといった形で出荷され、鰊は保存食としても重要なポジションを確立します。

 

今でも身欠き鰊や数の子としてお正月やハレの日の料理に用いられることが多く、日本人の食生活に深く根付いている魚といえるでしょう。

 

 

鰊に豊富に含まれる栄養素とその役割

鰊には、体の機能をしっかり支えてくれる多種多様な栄養素が含まれています。ここでは、特に注目すべきオメガ-3脂肪酸をはじめとする主要な成分について詳しく紹介します。

 

エネルギー 水分 たんぱく質 脂質 食物繊維 炭水化物
196kcal 66.1g 17.4g 15.1g 0g 0.1g
ナトリウム カリウム カルシウム マグネシウム リン
110mg 350mg 27rmg 33mg 240mg 1mg
亜鉛 マンガン ヨウ素 セレン クロム
1.1mg 0.09mg 0.02mg -㎍ -㎍ -㎍
モリブデン ビタミンA βーカロテン β−クリプトキサンチン ビタミンD ビタミンE
-㎍ 18㎍ 0㎍ 0㎍ 22㎍ 3.1mg
ビタミンK ビタミンB1 ビタミンB2 ナイアシン ビタミンB6 ビタミンB12
0㎍ 0.01mg 0.23mg 4mg 0.42mg 17㎍
葉酸 パンテトン酸 ビオチン ビタミンC 食塩相当量
13㎍ 1.06mg -㎍ Tr mg 0.3g

にしん/生 栄養成分100g当たり【出典:文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年】より

 

 

オメガ-3脂肪酸(EPA・DHA)

  • EPA(エイコサペンタエン酸)
    血液をサラサラにし、動脈硬化や血栓の予防に役立ちます。コレステロールや中性脂肪値の改善が期待され、高血圧や心筋梗塞などのリスク低減にも寄与します。

  • DHA(ドコサヘキサエン酸)
    脳細胞の構成要素として知られ、記憶力や認知機能の維持に重要な働きをします。子どもから高齢者まで幅広い世代で注目される成分です。

高品質なたんぱく質

鰊に含まれるたんぱく質は、筋肉や肌、爪、髪などの材料となる必須アミノ酸がバランスよく含有されています。運動を日常的に行っている方や、ダイエット中にタンパク質をしっかり摂りたい方にとっても理想的な食材です。

 

ビタミンB群

  • ビタミンB1・B2・B6・B12 など
    エネルギー産生や神経系の働きをサポートします。貧血予防、疲労回復、ストレス対策など、幅広い面で身体機能を助ける必須栄養素です。

ミネラル(カルシウム・鉄分など)

  • カルシウム
    骨や歯を丈夫にし、骨粗しょう症を予防します。
  • 鉄分
    血液を運ぶヘモグロビンを生成するために欠かせない栄養素であり、貧血予防にも重要です。
  • 亜鉛やマグネシウム
    ホルモンバランスを保ち、免疫力をサポートするなど、全身の調子を整える上で有益です。

 

鰊の驚くべき健康メリット

栄養価が高い鰊は、具体的にどのような健康効果が期待できるのでしょうか。ここでは、心臓や血管、脳の機能など、身体の重要な部分へのメリットを解説します。

 

心臓・血管の健康をサポート

動脈硬化の予防と血圧管理

鰊のオメガ-3脂肪酸が血液中のLDL(悪玉コレステロール)の増加を抑制し、HDL(善玉コレステロール)の割合を高める効果が期待できます。結果として、動脈硬化を防ぎ、血管を健康な状態に保つことが可能です。また、血圧が気になる方にとってもオメガ-3脂肪酸は注目成分といえます。

心筋梗塞や脳梗塞のリスク低減

血液がサラサラになることで、血栓(血のかたまり)ができにくくなり、心筋梗塞や脳梗塞のリスク低減につながります。特に家族や親族に心血管系の疾患が多い場合は、普段の食生活で青魚を意識的に取り入れることが有効とされています。

 

脳機能の向上と認知症予防

記憶力・集中力の維持

DHAは脳細胞のシナプスをスムーズに働かせるため、認知機能の維持や記憶力のサポートに欠かせません。学習効率や集中力を高めたいお子さんから、物忘れを気にするシニア世代まで、幅広い層にメリットがあります。

ストレス軽減・精神面の安定

オメガ-3脂肪酸の摂取は、うつ症状の軽減や気分の安定化に寄与する可能性があると研究で示唆されています。仕事や家事で忙しい現代人にとって、イライラを和らげるサポートとしても期待できるでしょう。

 

 

身欠き鰊と数の子の関係

鰊と切っても切れないのが、身欠き鰊や数の子の存在です。ここでは、保存食として発達してきた身欠き鰊の種類や、数の子の縁起物としての側面などを見ていきましょう。

 

身欠き鰊(本乾・ソフト)

鰊を塩漬けにしたのち干して保存性を高めたものが「身欠き鰊」です。さらに、乾燥度合いによって以下の2タイプに分かれます。

  • 本乾タイプ
    完全に乾燥させたタイプで非常に硬いため、食べる前に水や湯で戻す必要があります。戻す過程で旨味が引き出され、伝統的なおせち料理や郷土料理にも多用されます。
  • ソフトタイプ
    適度に乾燥させ、水分を少し残した状態。比較的柔らかく、調理もしやすいため、忙しい日常でもサッと使える便利さが魅力です。

数の子は鰊の卵

  • 縁起物としての数の子
    鰊の卵である数の子は、お正月などの祝いの席で欠かせない存在です。歯ごたえのあるプチプチ食感と独特の旨味で多くの人に愛され、「子孫繁栄」や「子宝に恵まれる」といった縁起の良さが長年受け継がれてきました。

鰊を日常的に取り入れる調理法・レシピ

鰊を美味しく味わうためには、調理法やアレンジ次第で楽しみ方が大きく変わります。ここでは、定番から簡単アレンジまで幅広くご紹介します。

 

基本の調理法

鰊を調理する方法は多岐にわたります。一般的には、以下のような調理法が人気です。

  • 焼き鰊
    塩を軽く振ってグリルやフライパンで焼くシンプルなスタイル。皮がパリッと仕上がり、脂の旨味を堪能できます。大根おろしやレモンを添えると、さっぱりといただけます。
  • 煮付け
    醤油・酒・みりん・砂糖をベースにした甘辛ダレでコトコト煮込むと、鰊の旨味がしっかり野菜にも染み込みます。身欠き鰊を使う場合は、水で戻してから煮込むのがポイントです。
  • 刺身や寿司
    新鮮な鰊が手に入る地域なら、刺身や握り寿司、押し寿司などもおすすめ。ただし、血合いや内臓をていねいに取り除き、新鮮な状態のうちに食べるようにしましょう。
  • 揚げ物(天ぷら・フライ)
    衣のサクサク感と鰊のジューシーさが絶妙にマッチします。魚が苦手な方でも食べやすい一品です。

鰊を調理する際は、適切な下処理が重要です。特に、身欠き鰊を使う場合は、しっかりと水で戻すことが必要です。戻し方によって食感が変わりますので、注意が必要です。

 

 

鰊(にしん)を選ぶときのポイントと食べ過ぎ注意

鰊を上手に取り入れるには、新鮮なものを選ぶことや、摂りすぎによるデメリットを理解することが大切です。ここでは、その具体的なポイントを解説します。

質の良い鰊を見極める方法

鰊を選ぶ際には、いくつかのポイントに注意するとより質の良い鰊を選ぶことができます。以下は、鰊を選ぶ際のポイントです。

  • 目の透明感
    新鮮な鰊は目が澄んでおり、曇りやにごりが少ないほど鮮度が高い証拠です。
  • 身の張り・弾力
    軽く押したときに弾力を感じ、身がしっかり締まっているものを選びましょう。
  • 生臭さの有無
    特有の生臭さが強い場合は避けるのが無難。
  • 地域や時期を意識する
    春に行われる漁が有名な地域もあれば、冬場に脂が乗るとされる地域もあります。購入時期や産地を確認しながら選ぶのがおすすめです。

 

食べ過ぎに注意すべき理由

鰊には多くの栄養が含まれていますが、食べ過ぎには注意が必要です。以下は、鰊を過剰に摂取することによる主な不具合です。

  • 塩分過多
    干物や塩漬けが多い鰊は塩分が高めになりがち。高血圧の方やむくみが気になる方は適度な摂取量に抑えましょう。
  • 水銀・重金属
    一般的に、マグロやカジキなどの大型魚ほど水銀などが蓄積されやすいとされますが、鰊も魚である以上、微量ながら含まれる可能性はあります。妊婦や小さなお子さんは摂取量に注意しつつ、魚種を分散して食べるのが望ましいでしょう。
  • 脂質とカロリー
    鰊は良質な脂を含む一方でカロリーもそこそこあります。適量を守りつつ、野菜や海藻類など他の食材と組み合わせてバランスを取りましょう。

まとめ:鰊(ニシン)で心と身体をサポートしよう

一日の食事の中でバランスを取ることが重要であり、鰊を食べる際は他の食材も取り入れることをお勧めします。

 

総括すると、鰊は栄養価が高く、健康に有益な食材ですが、選び方や適切な食べ方に注意が必要です。旬の時期に新鮮なものを選び、食べ過ぎに気を付けながら、様々な調理方法で楽しんでいきましょう。

 

特に、鰊と数の子は相性が良く、数の子の中にあるコクと鰊の旨味が融合すると、絶品の料理になります。鰊に関連する食事を通じて、健康的な食生活を目指していきましょう。

城戸憲司

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