【鏡餅の基本】正しい飾り方や飾る期間とは?その歴史やお年玉との関係も紹介
鏡餅は、日本の正月を象徴する伝統的な縁起物であり、神様にお供えする神聖な物です。その背景には深い歴史や意味があります。本記事では、鏡餅の基本知識を紹介し、その飾り方や期間について詳しく解説します。鏡餅の成り立ちや、どのようにして現代の習慣に繋がっているのかを学ぶことで、日本文化の豊かさを実感できるでしょう。また、鏡餅をどこに飾るべきか、伝統的な飾り付けのスタイルについても触れ、さらに飾り始める時期や鏡開きの重要性についても詳しくまとめています。
正月のお供えとして欠かせない鏡餅は、地域によって異なるしきたりも存在し、それぞれの文化を彩る役割を果たしています。そのため、飾り方や時期を正しく理解することは、年始を迎えるにあたり、豊かな時間を過ごすための鍵となります。加えて、実はお年玉との関連もあり、家族や友人との絆を深める手助けとなるような内容を提供します。
この機会に、鏡餅の意味や飾り方についてもっと深く知り、正月の風習を楽しんでみませんか。
鏡餅の基本知識
日本のお正月を象徴する鏡餅は、古くから伝わる独特な文化であり、家庭や地域での重要な行事の一部を形成しています。一番古くは平安時代頃から文献に出てくるお供え物です。
鏡餅とは、大小一対の丸い餅を重ねた形をしており、上に橙(ダイダイ)などの飾りをのせることで完成です。この餅は、見た目の美しさだけでなく、背後には深い意味や歴史が隠されています。古来より、鏡餅は神様への捧げ物とされ、年神様がその家に留まる象徴とされています。このように、鏡餅は単なる食べ物ではなく、家族の幸福や繁栄を願う大切な意味を持っているのです。
鏡餅に飾る橙にも通じる「みかんの歴史」についてはコチラから←
鏡餅とは何か
鏡餅は、正月の期間に飾られる伝統的な餅です。通常は丸形の餅を二つ重ね、上に橙を飾ります。この形状にする理由は、鏡には神様が宿ると信じられていたのと、また米も神聖な食べ物と考えられていた為、(もち)米から出来る餅を鏡の形に似せて丸くしたことから名付けられたと言われています。また餅を二段に重ねることによって「福を重ねる」という意味もあります。
また、鏡餅は、年神様へのお供えで年神様が宿るとされているため、家庭内での安寧や繁栄を願うために、神棚や高い場所に飾られます。鏡餅は、主に上新粉(上米)を使って製造され、つきたては柔らかく、時間と共に乾燥していくため、飾っておく間注意が必要です。鏡餅の飾り付けには、橙の他にも、干し柿や昆布、三色団子などが用いられることもあります。
ただし、昨今は食品会社によるプラ容器に入った鏡餅をお供えすることが多くなり、管理が楽になっています。
- 年神様:須佐之男命(スサノオノミコト)と神大市比売(カムオオイチヒメ)の間に生まれた大年神(オオトシノカミ)とされ、地域に寄って異なりますが、「一年を守護してくれる神」「田んぼの神」「家を守ってくれる祖霊」とされています。
鏡餅の名前の由来:神聖な鏡に似た形
鏡餅の「鏡」という名前は、古代の青銅製の丸い鏡「銅鏡」に形が似ていることに由来します。鏡は、三種の神器の一つ「八咫鏡(やたのかがみ)」として知られるように、神聖なものとして扱われてきました。
この神聖な鏡に餅を見立て、年神様(新年の神様)を迎えるための供え物として飾られるようになったのが、鏡餅の始まりです。
鏡餅の歴史
鏡餅の由来は古代日本にまで遡ります。最初の記録は奈良時代にさかのぼり、神事の際に神様に捧げられた餅が起源とされています。「餅(もち)」は「持つ」や「寿ぐ」という意味があり、豊作や健康を願う意味合いが込められています。
平安時代には、飾りや形状が進化し、現代のような鏡餅の形が確立されました。文献としては平安時代中期の「源氏物語」の23巻「初音」にて「歯固め(お食い初め)」のお祝いに鏡餅を取り寄せた記述が残ってます。この記述から、当時の宮中行事で神聖な餅として鏡餅が用いられていたことがわかります。
また、鎌倉時代から室町時代にかけて、武家社会で「具足餅(ぐそくもち)」という風習が広まりました。これは、甲冑(具足)を飾る床の間に鏡餅を供える風習です。鏡餅は武士の家においても、新年に欠かせない神聖な供え物とされるようになり、現在のような二段重ねの形が定着したと言われています。
江戸時代になると、鏡餅は庶民にも広まり、各地で独自の飾り方や風習が生まれました。
鏡餅の飾りには、橙(だいだい)や昆布、干し柿などが用いられます。それぞれに意味があり、
- 橙:「代々」子孫繁栄を願う
- 昆布:「喜ぶ」の語呂合わせで縁起物
- 干し柿:実りの象徴
とされています。地域ごとに飾りの工夫が加えられ、その土地の文化や風土に合わせて発展しました。
このように、鏡餅は長い歴史を持ち、日本の文化や伝統を体現しているのです。今日では、鏡餅を通じてお正月を祝うことが、家族の絆や地域とのつながりを強める大切な儀式となっています。
鏡餅の飾る
鏡餅は、日本の新年を祝う際に欠かせない伝統的な食品であり、家庭や地域で大切にされてきました。そのため、鏡餅を飾る習慣は非常に重要とされています。今回は、鏡餅を飾る場所とその伝統的な飾り付けについて詳しく説明します。
鏡餅を飾る場所
鏡餅を飾る場所として一般的に選ばれるのは、家庭内の神棚や仏壇、そして家の中心的な場所です。特に神棚は、神様を迎える場所と考えられていますので、鏡餅をそこで飾ることにより、神様に新年のご挨拶をする意味があります。また、仏壇に飾る際も、先祖への感謝の意を表す大切な行為となります。
近年では、リビングルームのテーブルの上など、目に見える場所に飾る家庭も増えています。これは、鏡餅が家族全員の目に触れることにより、正月の雰囲気を高め、家族団欒の場を演出するためです。
伝統的な飾り付け
鏡餅の飾り付けにはいくつかの伝統的な方法がありますが、その中でも特に目を引くのが、「橙(だいだい)」です。
1. 橙(だいだい)
鏡餅の飾りで最も特徴的なのが 橙(だいだい) です。橙には以下の意味があります。
- 「代々」 に通じ、子孫繁栄 を象徴する。
- 長く木に実が残ることから、家族や家系が途絶えないことを願う。
鏡餅の上に橙を乗せることで、その家の繁栄と幸福を願います。
橙は「代々」と言う言葉とも関連し、子孫繁栄を象徴しています。鏡餅の上には、いつもと同じように橙を乗せることによって、その家族の繁栄と幸福を願うのです。
2. その他の伝統的な飾り
鏡餅には、橙の他に以下のような飾りが施されることもあります。
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ユズリハ: 新しい葉が生えた後に古い葉が落ちることから、世代交代や子孫繁栄を願う縁起物として用いられます。
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ウラジロ: 葉の裏が白いシダ植物で、清廉潔白や長寿、夫婦円満を象徴しています。左右対称の葉の形状が、夫婦の和合を表すとも言われます。
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昆布: 「喜ぶ」の語呂合わせや、「子生婦(こぶ)」と書くことから、子孫繁栄や喜びを広める意味があります。
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串柿: 干し柿を串に刺したもので、努力が実を結ぶことや、幸せをかき集めるという意味が込められています。
これらの飾りには、それぞれ新年の幸福や繁栄を願う意味が込められています。鏡餅を飾る際には、各飾りの持つ意味を理解し、日本の伝統文化を尊重しながら新年を迎えることが大切です。
3. 現代的な飾り付け
近年では、鏡餅に現代的なアレンジを加える家庭も増えています。
- 色鮮やかな飾り付け
- 小さなお菓子やキャラクターグッズを添える
- プラスチック製の鏡餅に工夫された装飾を施す
しかし、伝統的な飾り付けが持つ 「意味」や「願い」 を理解し、大切にすることが日本の文化を尊重するためにも重要です。
鏡餅の飾り付けは、単なる飾りではありません。その背後には、新年の幸福、健康、繁栄を願う深い意味が込められています。
- 橙: 子孫繁栄
- 自然の飾り: 厄除けや長寿を祈願
- 現代的アレンジ: 家族団欒の演出
鏡餅を通じて、家族の絆や地域のつながりを感じながら、新しい一年を迎えましょう。
鏡餅を飾る期間
鏡餅は日本の伝統的な正月の飾り物であり、その飾る期間にも深い意味と重要な習慣が存在します。この時期には、家庭や商業施設において鏡餅が飾られ、豊作や無病息災を祈る役割を果たします。鏡餅を飾る期間には一般的に「飾り始め」と「飾り終え」のタイミングが定められています。
一般的な飾り始めのタイミング
鏡餅の飾り始めは、一般的に12月の中旬から下旬に行われます。中でも12月28日は特に縁起が良い日とされています。
その理由は、漢字の「八」が末広がりで縁起の良い数字とされるためです。さらに、「二八(ふたや)」で「八」が二つ重なることから、「大層縁起が良い」と言われています。
また翌日の29日は数字の9を「苦」と呼んで避ける地域もありますが、「29(ふく)」と読んで縁起が良いと考える場合もあります。
一部の地域や家庭では12月31日、大晦日に鏡餅を飾ることもありますが、これは「一夜飾り」「一夜餅」と呼ばれ神様への礼節に欠けると避けられる場合があります。早めに飾ることで商売繁盛や無病息災の効果を期待するとされています。
食品会社による鏡餅が普及するにより減りましたが、年末に家族一同で餅つきをして家庭で鏡餅を作る家庭もあります。
飾り終える時期:鏡開き
鏡餅を飾る終わりの時期として「鏡開き」が重要です。この日は、通常1月11日とされています。地域に寄っては年神様がいらっしゃる期間である松の内が開けたら鏡開きをする場合もあります。ただその松の内は地域に寄って違い、関東や東北、九州では1月7日、関西では1月15日と地域に寄って異なります。
鏡開きは神様に供えた鏡餅を「開いてお帰りいただく」行事で、家庭や地域の神社でも行われます。この日には、元日に飾った鏡餅を下ろして、供えられた神様に感謝の意を表します。本来は鏡餅を木槌で割り、そのお餅を臼でついて作ったお雑煮や、お汁粉などにして食べる伝統があります。この行為は、餅が持つ年神様のご利益を身体に取り込み、新たな一年の豊作や健康を願う意味があるとされています。
「開く」と表現するのは「切る」では縁が切れ、「割れる」も縁が割れと取れる為、開くと表現します。
また、地域によっては鏡開きの時期が異なる場合があり、特に西日本では1月15日を鏡開きとして行うケースも見られます。こうした地域の違いは、文化や伝統の多様性を示しており、各家庭や地域の風習を尊重することが大切です。
このように鏡餅を飾る期間は、正月の喜びを表し、またそれを通じて家族や地域の絆を深める大切な時間です。
お年玉の始まりと鏡餅の関係
お年玉の風習は、現代では子供たちにお金を渡すものとして定着していますが、元々は鏡餅と深い関わりを持つ伝統行事でした。
お年玉の起源:年神様への供え物
お年玉の始まりは、古くは「御年魂(おとしだま)」と呼ばれ、年神様(新年に訪れる神様)から授かる「魂(たましい)」を意味しました。年神様は、新しい年の幸福や健康をもたらす神様とされ、その力が宿る鏡餅を家族で分け合うことで、年神様のご加護を受けると考えられていたのです。
この鏡餅を分け与える行為が「お年玉」の原型であり、家長が家族に健康や繁栄の願いを込めて分ける風習が生まれました。神道においては神事ので用いた神饌や神酒を参列した参加者が戴くことによって、神々の恩恵や御加護を賜るという直来(なおらい)が行われています。
時代と共に変化するお年玉
時代が進むにつれ、お年玉は金銭や物品を贈る形へと変化していきました。特に江戸時代以降は、金銭を贈る形が一般化し、子供たちに渡されるようになりました。
しかし、その根底には「新年に年神様から授かった力を分け与える」という伝統的な意味が残っています。現代のお年玉も、単なる贈り物ではなく、新しい年の幸せと成長を願う気持ちが込められているのです。
鏡餅まとめ
鏡餅は、日本の正月を象徴する神聖な供え物であり、年神様を迎える大切な役割を果たします。その歴史は平安時代に遡り、現代では二段重ねの餅と橙が伝統的な形として定着しました。
また、お年玉の起源は鏡餅を分け合う風習に由来し、家族の健康と繁栄を願う意味が込められています。鏡餅の飾り方や期間を正しく理解し、地域の風習を尊重しながら新年を迎えることで、日本文化の豊かさを感じられるでしょう。
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