緑の宝石 2026年に指定野菜へ!ブロッコリーの驚異的な栄養成分とは?
- ケール:ヤセイカンランに近い品種で、リョクヨウカンランとも呼ばれます。このケールから以下の作物に分化していきました。
- キャベツ:ケールの葉が丸く結球するようになったのを品種改良してきた品種。紫キャベツや芽キャベツも。
- コールラビ:根本が大きく発達して食用になった品種。
- ブロッコリー:花芽である花蕾(からい)を食べる品種。ブロッコリーの突然変異でカリフラワーも生まれました。
この様に実はキャベツやコールラビ、カリフラワーはブロッコリーにとっては全て親戚の野菜です。
ブロッコリーは紀元前の地中海に面していたローマ帝国でも栽培されていたと言われており、ローマ帝国の繁栄と共にしてブロッコリーもヨーロッパ中に広まっていきました。ただ当時はキャベツなどに比べたらマイナーな野菜だったそうです。
マイナーだったのがメジャーな野菜に変わったのは1880年代にサルディニア公国によってイタリアが統一され、それにともなって冷遇された南部のイタリア人が多くアメリカに移民していった事が始まりです。
その後1923年に、イタリア系の移民が地元で作っていたブロッコリーを、商業用に栽培を始めそれがアメリカ全土に広まり、第二次世界大戦中にアメリカ軍が駐留した先のヨーロッパやアジア諸国に戻って再度ブロッコリーが広まったと言われています。
日本には実は明治時代に一度ブロッコリーが入ってきましたが、当時のブロッコリーは傷みが早く鮮度にこだわる日本人には馴染まなかったみたいで、近縁種のカリフラワーの方が人気があったようです。
戦後1960年代後半アメリカから再度入ってきましたが、なかなか人気がでませんでした。それが変わったのは1980年代に緑黄色野菜の栄養素が話題になると一気にブロッコリーに注目が集まり普及していくようになりました。
ブロッコリーの名前の由来
ブロッコリーの名前の由来はその可食部である花蕾部によるものと考えれていて、それが2つあります。
- brocco(ブロッコ):「茎」や「芽」という意味のラテン語。
- brocchus(ブロックス):「突き出た」という意味のラテン語。
このどちらかのラテン語が語源と言われています。現在のブロッコリー(broccoli)はローマ帝国の流れを組むイタリア語になります。
- グリーンデューク:1970年代のアメリカで発表された収穫時期の早い早生品種で、それまでの品種よりも可食部の花蕾の品質が良く、収穫期も揃うのと、同時期に冷蔵庫が発明され普及されることによって、低温輸送が可能になったこともあって爆発的に広まっていきました。その後、後継の品種で収穫時期を後ろにずらした中生品種の「ショーグン」や「マラソン」などのブロッコリーも1980年代に出てきました。
- 緑嶺(りょくれい):1980年代に出てきた品種。栽培しやすくなって生産が安定。
- 緑帝(りょくてい):1989年に品種改良され、品質が向上して日本国内に普及。
- ピクセル:2000年代に高温期でも栽培できるようになった品種。
この他にもトップギア、グリーンパラソル、メガドームなど様々な品種があり、全世界に97種類もブロッコリーの品種があると言われ、今も増えていっていると思われます。
ブロッコリーその他の品種と近縁種
ブロッコリーはそれ単体の品種の他に、新芽やブロッコリー以外の品種と掛け合わせすることによって新しい品種も続々と出てきています。
ブロッコリースプラウト
スプラウトは2000年頃から多く出回り出した豆類や野菜を発芽させた新芽のことです。種子の栄養と植物自身の栄養を兼ねそろえているといわれている。特にブロッコリーの新芽であるブロッコリースプラウトには、ビタミンC、βーカロテン、カルシウム、葉酸、食物繊維の他に、「スルフォラファングルコシノレート」というファイトケミカルが含まれています。このスルフォラファンは紫外線などに負けない様に植物が生み出す物質で、抗酸化作用や解毒作用のある「酵素」の生成を促進してくれる栄養素です。実が目がかいわれ大根の様なので、辛そうに見えますが、辛みはほとんどありません。
茎ブロッコリー(スティックセニョール)
ブロッコリーと中国野菜の芥藍(カイラン)を掛け合わせて、日本の種苗会社が開発しました。花蕾と茎部分を食用になっていて、サラダに炒め物にも最適、アスパラガスの様にベーコンや肉を巻いて焼く調理法も人気です。栄養成分はブロッコリーとほぼ同等の栄養素を含んでいます。
カリフラワー
ブロッコリー同様にケールから分化した品種で、ブロッコリーの突然変異で生まれたと言われています。栄養素としてはビタミンCや食物繊維が豊富で、美容に良い野菜と言えます。
ロマネスコ
幾何学模様の花蕾を持つブロッコリーやカリフラワーの仲間、16世紀頃のローマ近郊で開発されたという説と、同時期のドイツで開発されたという説がある野菜。ロマネスコという名前はイタリア語のBroccolo Romanesco(ブロッコロ・ロマネスコ)に由来し意味は「ローマのブロッコリー」を意味している。栄養素はほぼブロッコリーと同等です。
この様に様々な品種が出てくるくらいブロッコリーは人気の食材なのです。
ブロッコリーには様々な健康の良いビタミンやミネラル、抗酸化物質、食物繊維、たんぱく質、ファイトケミカルが豊富に含まれており、積極的に摂っていきたい野菜の一つと言えます。次の章ではその健康効果を順番にご紹介していきます。
エネルギー | たんぱく質 | コレステロール | 脂質 | 炭水化物 |
37kcal | 5.4g | 0mg | 0.6g | 6.6g |
カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 |
460mg | 50mg | 29mg | 110mg | 1.3mg |
β−カロテン | ビタミンK | ビタミンB1 | ビタミンB2 | ビタミンE |
900μg | 210μg | 0.17mg | 0.23mg | 3mg |
葉酸 | パントテン酸 | ビオチン | ビタミンC | 食塩相当量 |
220μg | 1.42mg | 13μg | 140mg | 0g |
この様にブロッコリーに含まれる様々な栄養素によって、免疫力の向上・維持に効果が期待されます。
ブロッコリーに含まれる栄養素には様々な特性があり、それを余すことなく摂取する為には、次のような点を気を付ければ良いです。
- ビタミンC:水溶性のビタミンで茹でたりすると、その栄養素が水分に溶けだしてしまいます。その為、茹でた汁ごと摂取できるスープなどがお薦めです。またサラダに使う場合は生食、もしくは電子レンジを利用すると良いでしょう。ただし、アブラナ科のブロッコリーは害虫が付きやすいため、多くの農薬が使われている場合があります。生食する場合は必ずよく洗ってから使用する様にしましょう。
- βカロテン、ビタミンE、ビタミンK:これらは脂溶性の性質を持っているビタミンです。この為、ブロッコリーを炒め物など動物性の油や炒め油を合わせることによって効率よくこれらの栄養素を摂取することができます。
- スルフォラファン:ブロッコリーやブロッコリースプラウトに含まれるスルフォラファンの素になる「前駆体」は、細胞が壊れる際に「ミロシナーゼ」という酵素と反応してスルフォラファンに変わります。ミロシナーゼは熱に弱いため、スルフォラファンを効率よく摂取するには生の状態でよく噛んで食べることが推奨されます。しかし、加熱でミロシナーゼが破壊されても、小腸の腸内細菌が前駆体をスルフォラファンに変換し、体内に吸収することが可能です。
ブロッコリーの栄養素を効率よく摂取するには、以上のような点を注意すると、より多くのブロッコリーの栄養成分を体内に取り込むことが出来ます。
指定野菜とは?2026年(令和8年)からブロッコリーが「指定野菜」へ
2024年(令和6年)1月22日に、農水省からブロッコリーを2026年から「指定野菜」に位置付けることが決定しました。「指定野菜」という単語に聞き覚えのない方が多いと思われますが、それもそのはず、1974年(昭和49年)に馬鈴薯(ばれいしょ)つまりはジャガイモを追加して以来の半世紀ぶりの指定野菜認定になります。
「指定野菜」とは、日本政府が特に需要が高いと認識される野菜を特定したものです。この制度は、野菜の供給の安定化と価格の変動緩和を目的としています。指定された野菜の価格が大きく低下した場合、生産者に補償金が支給される場合があります。
指定されている野菜には、キャベツ、きゅうり、さといも、だいこん、たまねぎ、トマト、なす、にんじん、ねぎ、はくさい、ばれいしょ、ピーマン、ほうれんそう、レタスなどが含まれています。これらの野菜の栽培は、一年を通して需要が安定しており、売上が見込めるという特徴があります。例えば、キャベツは一年中需要が高いことで知られています。
しかし、農家にとっては、これらの野菜を栽培することが経営の安定化につながる可能性がある一方で、連作障害や病害虫のリスク、産地としての差別化が必要などの課題もあります。
このような背景を持つ指定野菜は、日本の農業政策において重要な位置を占めています。この制度により、需要が高い野菜の供給が保証され、農家の経営が安定することが期待されています。
指定野菜とは
- 国が定める野菜のうち特に消費量の多いもの
- 野菜の安定供給し、価格の安定を求める為のもの
- 指定野菜を、安定供給する為に、大量生産する産地を「指定産地」とする
- もし価格が下落した場合、指定産地へ手厚い補助金が支払われる(安定供給の為)
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商品紹介
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確かな目利きの食品販売 - きくや
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