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柚子の驚きの栄養パワー:あなたの健康と美容にどんな効果が?その秘密とは?

柚子のパワー:驚くべき栄養成分とその効果

 柚子(ゆず)は単なる香りを楽しむだけのフルーツではありません。この小さな果実には、私たちの健康と美容に驚くべき利益をもたらす、豊富な栄養素がぎっしりと詰まっています。

 

 その為、古代中国では紀元前114年頃に司馬遷によって書かれた「史記」に「みかんと柚子」の栽培についての記載があったくらいに人々を惹き付けてやまないフルーツです。(参考:「みかんの歴史 過去と現代で人気の品種が違う?なぜ今と違うのか」より)

 

 柚子1つで得られるビタミンCの量は、多くの人が思う以上に多いのです。さらに、ビタミンEや食物繊維なども豊富に含まれており、これらの栄養素が私たちの身体にどのような影響を与えるのか、この記事で詳しく掘り下げてみましょう。

 日常的に柚子を摂取することで、どのような健康上のメリットが私たちにあるのか、その秘密を一緒に探っていきましょう。

 

ゆず(果汁) ゆず(果皮)
エネルギー 30kcal エネルギー 50kcal
水分 92g 水分 83.7g
たんぱく質 0.5g たんぱく質 1.2g
コレステロール 0mg コレステロール 0mg
脂質 0.1g 脂質 0.5g
食物繊維総量 0.4g 食物繊維総量 6.9g
炭水化物 7g 炭水化物 14.2g
ナトリウム 1mg ナトリウム 5mg
カリウム 210mg カリウム 140mg
カルシウム 20mg カルシウム 41mg
マグネシウム 11mg マグネシウム 15mg
リン 11mg リン 9mg
0.1mg 0.3mg
亜鉛 0.1mg 亜鉛 0.1mg
ビタミンE 0.2mg ビタミンE 3.4mg
β−カロテン 0μg β−カロテン 19μg
ビタミンB1 0.05mg ビタミンB1 0.07mg
ビタミンB2 0.02mg ビタミンB2 0.1mg
ナイアシン 0.2mg ナイアシン 0.5mg
ビタミンB6 0.02mg ビタミンB6 0.09mg
葉酸 11μg 葉酸 21μg
パントテン酸 0.29mg パントテン酸 0.89mg
ビオチン 0μg ビオチン 3.6μg
ビタミンC 40mg ビタミンC 160mg

 

ゆず(果汁)(果皮)より 栄養成分100g当たり【出典:文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年】より

 

美しい肌を手に入れる:柚子のビタミンCとβ-カロテンの秘密

 

 柚子は、その栄養価による美容への効果が非常に高く評価されています。特に、美しい肌を手に入れるためには、柚子のビタミンCとβ-カロテンが重要な働きをします。この章ではその働きについてご紹介します。

 

ビタミンCの豊富さ

 柚子はビタミンCが豊富で、ビタミンCが豊富で有名なレモン(果汁:50mg、皮:100mg)より少し少ないです豊富にビタミンCが含まれています。ビタミンCは肌のコラーゲン生成にとっても非常に重要で、肌の健康を保つために役立ちます。

 

果皮の栄養価

 柚子はその果肉だけでなく、皮にはそれ以上に栄養が豊富です。柚子の皮は果汁部分よりもビタミンCが4倍多く含まれておりレモンより多くなってます。

 また柚子の皮にはビタミンBやリモネンなどの他の栄養素も豊富です。ビタミンB群は、皮膚の主要な構成成分であるタンパク質の代謝に関わります。これにより、健康でハリのある肌を維持するのに役立ちます。特に柚子にも含まれるビタミンB6は肌代謝に促進し、皮脂量をコントロールすることによってニキビの予防にも効果を発揮します。

 

β-カロテンの効果

 柚子の皮にに含まれるβ-カロテンは、肌の健康に欠かせない成分です。β-カロテンは抗酸化作用を持ち、肌を若々しく保つのに役立ちます。またβ-カロテンは体内でビタミンAに変換され、このビタミンAは皮膚や粘膜を健全に保つ効果があり、それによっても美肌をサポートすしてくれます。

 

肌から直接吸収

 柚子を食べるだけでなく、柚子湯に入浴することによっても、肌に良い影響を与えるとされています。柚子の皮に含まれる血行改善してくれるヘスペリジンやリモネンなどの成分がお風呂のお湯に溶け出し、血行を促進して体を温める効果があり、これによって肌代謝も高まります。これは特に冬の乾燥する季節において肌の保湿にも役立ちます​​。

 

  • ヘスペリジン:柑橘類の果皮やすじに含まれるポリフェノールでビタミンPと呼ばれる時もあります。血流の改善、高血圧の予防、コレストロール値の低下、血管の柔軟性アップ、抗酸化作用などがあります。
  • リモネン:柑橘類の果皮に含まれる香り成分、血流の改善、保湿効果、油脂を溶かす、免疫の向上、リラックスの効果などがあります。なお、柚子特有の香りはユズノンという微量の香り成分で、こちらも血流改善、リラックス効果などがあります。

 

 これらの柚子のビタミンCとβーカロテンによって艶やかに肌を守っていくことが期待できます。

 

 

冬の強い味方:柚子で風邪予防

 柚子の豊富な栄養成分と健康効果により、冬の寒い季節に、風邪予防としての効能が注目されています。

 

ビタミンCの豊富さと免疫力の強化

 柚子はに含まれるビタミンCは、風邪の予防に役立つ重要な要素です。ビタミンCは免疫細胞である白血球を活性化させ、それによって免疫力を高め、病気に対する抵抗力を強化する効果があります​​​​。特に柚子の皮には果汁よりも、ビタミンCが多く含まれているため、風邪予防には柚子皮の利用がお薦めです。

 

ゆずに含まれるアミノ酸で肌の保護

 柚子にはアミノ酸も豊富に含まれています。柚子に含まれるアミノ酸には、皮膚の保水能力を保つセリンや、体内で発生した毒素のアンモニアを排出してくれ免疫も活性化させるアスパラギン、紫外線による皮膚へのダメージを軽減させ、赤血球の生成を助けて貧血や疲労回復に効果があるヒスチジンなどが含まれており、これらの柚子に含まれるアミノ酸は、肌の健康をサポートし、免疫力を維持するのに役立ちます​​。

 

  • セリンの効果:肌の潤いを保つ、脳の健康維持、体内時計を整える、睡眠の改善、認知症予防効果など
  • アスパラギンの効果:持久力の向上、毒素の排出、神経伝達物質の材料、たんぱく質の合成、エネルギー代謝を促進など
  • ヒスチジンの効果:紫外線ダメージの軽減、赤血球の生成サポート、貧血の改善、副交感神経を優位にする(リラックス効果)、脂肪燃焼効果など

 ゆずに含まれるアミノ酸には肌の健全化の他にも多様な健康効果が期待できます。

 

柚子で血行改善して免疫アップ

 柚子に含まれるリモネンなどの香り成分や、柑橘類の実のすじに含まれるポリフェノールであるヘスペリジンは、毛細血管を刺激して血行を促進し血管を柔軟にし、保湿作用もあります​​。柚子に含まれるこれらの成分によって冬の寒さによる血行不良を改善し、身体が温まることによって免疫細胞も活性化して、風邪予防に寄与すると考えられます。

 

腸内環境を整える:柚子の食物繊維がもたらす効果

 ゆず、特に皮には食物繊維が100g当たり6.9g(水溶性3.3g不溶性3.6g)含まれています。水溶性食物繊維は腸の潤滑油として働き、また腸内のビフィズス菌などの栄養源にもなっています。これにより腸内環境が良好になるだけでなく、糖の吸収も阻害して血糖値の上昇を抑制します。また不溶性食物繊維は、水分を吸収して腸内で膨らみ、その刺激によって腸の蠕動運動を活発にして便秘の改善をしてくれます。また発がん性物質など腸内の有害物質を吸着し、体外へ排出する効果があります​。

  • ゆずの水溶性食物繊維:腸内の潤滑油、善玉腸内細菌の栄養源、糖の吸収を緩やかになど。
  • ゆずの不溶性食物繊維:水分を吸収して膨張し腸を刺激して活発化、有害物質を吸着して排出など

 また平成29年から平成31年までの高知大学での研究で、ユズ果汁によって善玉菌の乳酸菌が4週間で22倍以上に増えたという研究もあります。

 

 最近の研究では、腸内から幸せホルモンである「セロトニン」が分泌すされることが知られていますし、70%ほどの免疫細胞は食物と一緒に入ってくるウィルスや病原菌と戦う為に腸内にいます。この様に、柚子の成分によって腸内環境を整えると「便秘の予防」のみならず「メンタルケア」や「免疫の維持」が期待できます。

 

 

 

動脈硬化を防ぐ:柚子の抗酸化成分

 柚子は、その抗酸化成分であるビタミンC、ビタミンE、β-カロテン、ヘスペリジン、ペクチンによって、動脈硬化を予防する効果が期待されています。

 

柚子の皮や種に含まれるペクチン

 柚子の皮や種にはペクチンという食物繊維が豊富に含まれています。この柚子のペクチンにはコレステロール値をコントロールし、動脈硬化や高血圧を防ぐ働きをします​​。ペクチンは血液中の悪玉コレステロールを低下させ、動脈の健康な状態に保つと考えられています。

 

ビタミンEの豊富な含有量

 柚子、特に皮にはビタミンEが豊富に含まれています。ビタミンEは強力な抗酸化物質として知られ、動脈硬化やがんなどの予防に効果が期待されます​​。ビタミンEは体内の活性酸素による酸化ストレスを軽減し、血管の老化を防ぐ効果があります。またビタミンEには血管内の悪玉コレストロールを減らし善玉コレストロールを増やして血管内を健全に保ってくれる効果も期待できます。

 

ビタミンC、β-カロテン、ヘスペリジンの抗酸化作用

 柚子に含まれるビタミンCやβ-カロテン、ヘスペリジンは、有害な活性酸素を除去し、体の酸化を防ぐ強い抗酸化作用を持っています​​​​。これらの抗酸化成分は動脈硬化の予防に役立ちます。

 

 これら柚子に含まれる食物線であるペクチンや抗酸化作用のあるビタミン類やポリフェノールのヘスペリジンによる抗酸化作用に寄って、動脈硬化の予防が期待できます。

 

 

ストレスフリーな生活へ:柚子の隠れた効能

 柚子に含まれる成分には精神の安定にも効果が期待できる成分があります。

 

柚子に含まれるヒスチジン効果

 柚子に含まれるアミノ酸の柚子に含まれるアミノ酸のヒスチジンは、副交感神経を優位にし、ストレスの軽減などの効果があると言われています。ヒスチジンは、体内でヒスタミンに変換されて神経機能に作用するといわれています。ヒスタミンは神経伝達物質であり、交感神経の活性化による摂食抑制や脂肪分解作用が期待されています。ただしヒスタミンはアレルギーの原因物質とも言われているので、過剰の摂取はお薦めしません。

 

柚子の香り成分リモネン効果

 柑橘類の香り成分のリモネンは、リラックス効果が期待できます。脳の中でリラックスする際に現れるα波をリモネンによって出すことが知られており、神経を正常にする細胞の働きを活性化させるとされています。これにより、不安やストレスが軽減されたり、神経の興奮が鎮まって安眠できるようになったりするそうです。

 

 柚子に含まれるアミノ酸ヒスチジンと香り成分のリモネンの他に、柚子の食物繊維のよって腸内環境が整えば、幸せホルモンのセロトニン量も増えるので、柚子はストレスを解消するのに良い成分を豊富に含んだ果実と言えます。

 

柚子の栄養成分を最大限に活用する:摂取方法とそのポイント

 柚子の栄養成分を余すことなく摂取するには、その性質から次の2つのポイントを押さえて摂取することがお薦めです。

 

ポイント1:流し出さない

 柚子に含まれるビタミンB群やヘスペリジンは、水に溶ける水溶性の栄養素です。調理した際に水分の中にその栄養素が抜けだしてしまっているので、その水分ごと摂取する調理がお薦めです。

 

ポイント2:皮ごと使う

 

 柚子はその果汁以上に果皮や中の筋に多くの栄養成分が含まれています。皮ごと使うことによって栄養素を全て取ることができます。もし表面の農薬やワックスが気になる場合は、水500mlに大さじ1杯の重曹を入れて1分ほど洗ってください。重曹のアルカリ成分で表面のワックスも農薬も剥がしてくれます。なお、重曹は掃除用ではなく、安全性が確認されている食品添加用の重曹を選ぶ様にしましょう。

 

 この様に柚子の栄養成分を余さず使う為には、汁物に皮をすりおろして入れたり、柚子の皮ごとジャムにして柚子茶にして飲んだりすることをお奨めします。

 

 

柚子の全貌:健康と美容におけるその役割まとめ

 柚子(ゆず)は、その独特の香りと風味で知られる果実ですが、その魅力は味わいだけにとどまりません。古代中国から愛されてきたこの果実は、驚くべき栄養成分を豊富に含み、私たちの健康と美容に多大な恩恵をもたらしています。

 

 柚子には、ビタミンCやβ-カロテンによる「美肌効果」、柚子のビタミンやアミノ酸、香り成分やポリフェノールによる「免疫向上」、果皮に含まれる食物線やユズ果汁による「腸内環境改善」、食物繊維ペクチンや各種ビタミンなどの抗酸化物質による「動脈硬化予防」、アミノ酸や香り成分による「ストレス緩和」など様々な健康と美容に良い効果があります。

 

 柚子の持つ栄養成分とその効能を知ることで、私たちの健康と美容のサポートに活かすことができます。来る冬至(2023年は12月22日)に向けてゆず湯だけでなく、汁物やジャムなどに加工して、柚子の風味豊かな香りとともに、その恵みを存分に享受しましょう。

 

 

城戸憲司

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