冬の定番野菜「白菜」、鍋にシチュー、お漬物にも人気の野菜です。今回の記事では白菜が日本の食文化に与える影響と、白菜の魅力を探求します。白菜は、その歴史、食文化、多様な品種、そして現代の利用法とこの先の未来にまで、日本の食生活に深く根付いています。
これからの章では、白菜の起源から現代に至るまでの変遷、様々な白菜の料理の説明、そして気候変動の対策や、これからの白菜栽培の未来について焦点を当てていきます。
日本の食文化は、季節ごとの行事と密接に関連しています。白菜のような冬の食材を楽しむ一方で、節分のような行事も日本の食生活に大きな役割を果たしています。節分にまつわる興味深い歴史と現代におけるその役割についてもっと知りたい方は、こちらの記事をご覧ください:節分の歴史と現代の役割。
白菜の原産地は中国北東部といわれています。原種かもしれないと言われているブラッシカ・ラパ(Brassica rapa)はアフガニスタンやパキスタンの国境付近の山岳部だと言われています。また、キャベツやブロッコリーの原種であるヤセイカンランとブラッシカ・ラバは近縁種です。
の非結球のアブラナ科の植物が紀元前に中国に入ってきました。その後7世紀に揚州で、華北のカブと華南のパクチョイが交雑して生まれた牛肚菘(ニウトウソン)が最初の白菜だと言われています。中国で11世紀ごろの『本草図経』にその記録があります。この様な経緯から白菜は英語でChinese cabbage(チャイニーズ キャベツ)と呼ばれています。
日本には、白菜が7世紀から中国にあることから、何度も伝来してきたと推測されますが、実は国内栽培が始まったのは近代からになります。
まず、江戸時代末期である1866年(慶応2年)に、結球性の白菜品種を導入しましたが、在来種の他のアブラナ科の近縁種との交配がおきて、継続的な採種(種を残す)ことが出来ませんでした。
明治に入り、明治政府は1875年(明治8年)に清国(現:中国)に農産物の調査委員を派遣し、結球白菜の種子を持ち帰りましたが、栽培は成功しませんでした。同年、愛知県の栽培所でも清国の山東白菜を入手し、栽培を試み結球した白菜の種子を取ることに成功しました。ただし、完全な結球ではなく半結球の品種でした。1885年(明治18年)に付近の農家に種子を提供し山東白菜として流通させました。
明治末期から大正にかけて、宮城県の離島松島で芝罘白菜(チーフ白菜)の導入に成功しました。白菜が他のアブラナ科の植物と交雑してしまうのが、採種できない原因と考え、離島環境で他のアブラナ科の植物を隔離と除去を行うことが成功の鍵でした。その後、1917年(大正6年)に愛知県でも宮城での「他のアブラナ科からの隔離」による育種成功を元に、金網とガラスで作ったハウス内で生育させて、蝶などの虫による受粉が起きないようにすることで「愛知ハクサイ」を野崎徳四郎によって作り出すことに成功しました。
育成が始まったのは大正時代からですが、一般的になってきたのは昭和初期から、日本の野菜の中で、結球白菜が主要な地位を占める様になりました。実は日本で白菜が一般的になったのは20世紀からと、すごく最近のことだったりします。
この様に、白菜は中国から日本に伝わり、日本の食文化における重要な位置を占める様になりました。その歴史をひも解けば、中国北東部から始まり、日本では江戸末期からの栽培に向けての試行錯誤の歴史がありました。なお、白菜という名前は、原産地である中国の呼び名の「白菜(パイツァイ Báicài)」をそのまま日本語読みにしたものです。
また日本ではあまり白菜が縁起が良い野菜とは思われていませんが、中国や台湾ではこのパイツァイ (Báicài)という発音が「百財(多くの財産の意味)」と似ているのと、一枚一枚葉が重なり合って大きくなっていく様から、財産が少しずつ大きくなっていくことを連想して、中国や台湾では白菜は縁起の良い野菜とされています。
白菜の起源とその歴史に続いて、日本の食文化における白菜の重要性を探ります。白菜は、中国から近代に日本に伝わり、今では日本の食文化において、重要な位置を占めるようになりました。それは、白菜の栄養価の高さと、その調理の汎用性が富んでいることが関係しています。
日本に限らず世界的に秋以降は春まで新たに作物を取ることが難しくなります。その点、白菜は畑にそのまま植えておけば、表面は傷む場合もありますが、暖かくなるまで食べることが可能です。また寒さに当たると白菜に限らず野菜は糖化して甘くなる傾向にあるので、わざとそのまま放置し、美味しくしてから出荷したりしています。その為、白菜は作付けから長い期間収穫することが可能です。
基本的な白菜の使用方法
白菜は、その多様な栄養素と健康効果により、私たちの食生活に欠かせない野菜の一つです。この記事では、白菜の栄養価とそれがもたらす健康上のメリットについて、詳しく見ていきましょう。
白菜の主な栄養素
白菜には豊富なビタミンK、ビタミンC、食物繊維、カリウムが含まれています。これらの栄養素は以下の特徴があります。
この栄養素のお陰で次の様な白菜による健康効果が期待できます。
白菜の健康効果
白菜は、その水分が約90%を占めるため、味が穏やかで、様々な料理に合わせやすいのも特徴です。低カロリーながら栄養価が高いため、健康的な食生活を目指す方にとって、白菜は非常に有用な食材と言えるでしょう。
エネルギー | 水分 | たんぱく質 | 脂質 | 食物繊維総量 | 炭水化物 |
13kcal | 95.2g | 0.8g | 0.1g | 1.3g | 3.2g |
カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 |
220mg | 43mg | 10mg | 33mg | 0.3mg | 0.2mg |
β−カロテン | ビタミンK | ビタミンB1 | ビタミンB2 | ナイアシン | ビタミンB6 |
92μg | 59μg | 0.03mg | 0.03mg | 0.6mg | 0.09mg |
ビタミンB12 | 葉酸 | パントテン酸 | ビオチン | ビタミンC | 食塩相当量 |
0μg | 61μg | 0.25mg | 1.4μg | 19mg | 0g |
白菜(生)栄養成分100g当たり【出典:文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年】より
日本では比較的近代に伝来してきた野菜ですが、地域ごとに様々な種類の白菜の品種が作られてきました。次の章では様々な品種をご紹介します。
白菜はアブラナ科アブラナ属に属する一年草の野菜で、冷涼で乾燥した環境に適していて、種まきから60~90日程度で収穫が可能です。その品種は大きく分けて「結球型白菜」「半結球型白菜」「不結球型白菜」の3つに大別されます。
もっとも一般的な白菜の品種です。葉が何層にも重なって新部分を包み込む形状が特徴です。水分量も多く、鍋物やスープ、漬物など、どんな白菜料理にも適します。主な品種はオレンジ白菜、ミニ白菜、黄芯白菜などがあります。
半結球型の白菜は、白菜下部は普通の白菜同様に締まり、上部が開いた状態で成長します。葉が薄く柔らかいのと、乳酸発酵が進みやすく酸味が出やすいので、特に漬物用に好まれて使われます。主な品種は山東白菜、長崎白菜(唐人菜)、花心白菜などがあります。
不結球型白菜は、結球せずに全体が開いた状態で成長する白菜です。葉が固めなのが特徴で、漬物や炒め物に使用されることが多い白菜になります。主な品種は、広島菜、てごろ菜、たばね白菜などがあります。
地域ごとに様々な白菜品種があります。ここではその中から数点ご紹介します。
パープル白菜(紫白菜):この白菜はその名の通り紫色の葉を持ち、サイズは一般的な白菜より小さく約1.5~2kgです。食感は柔らかくサクサクしており、抗酸化作用のあるアントシアニン色素を含むため栄養価が高いです。加熱すると色が抜けやすいので、生食に適しています。
この他にも様々な白菜が品種改良されながら栽培されています。
白菜は元々中国北部の寒冷な地域が原産で、日本で栽培が始まったのは遅く、名維持時代以降でした。その後、様々な育種の試行錯誤の末に、現在では「結球型」「半結球型」「不結球型」の3つに大別され、その中でも様々な品種が増えています。
ただ、元々寒冷な場所を好む白菜は、最近の地球温暖化により、育成の困難が徐々に迫ってきています。温暖化により白菜の害虫が長い期間生息することによって育成が難しくなっている他に、温暖化による成長不良も懸念されています。現在、農林水産省は2015年より気候変動適応計画を作成し、技術革新によって炭素をより少なく排出することや、温暖な環境に適応した様々な作物の品種の育成に取り組んでいます。
我々、消費者もより温暖化を止める様に努力して、継続的に美味しい白菜を楽しめる世界にしましょう。
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