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ホンビノス貝の秘められた魅力と美容にも良い健康効果とは?あなたの食卓に革命を与える海の宝物

海のスーパーフード、ホンビノス貝の隠された魅力に迫る

突然ですが、あなたの食卓に革命をもたらす海の宝石があります。それが、最近魚売り場でよく目にする「ホンビノス貝」です。

 

ただの貝と侮るなかれ、この貝は美容と健康の両方に驚くべき効果を秘めています。肌を美しくする豊富な栄養素、疲れを吹き飛ばす疲労回復効果、さらにはがん予防まで、ホンビノス貝には知られざるパワーがあります。

 

この記事では、その魅力を深堀りし、ホンビノス貝を最大限に楽しむコツもご紹介します。北アメリカからやってきたこの貝の歴史、名前の由来、そして日本の食文化にどう取り入れられているのか。ホンビノス貝の全てを、ここで解き明かします。

 

同じく貝類の「しじみの健康効果」ブログはコチラから←

 

アメリカ原産とアメリカ料理に必須の食材

アメリカの広大な大地と歴史の中で、ホンビノス貝はただの食材にとどまらない、文化的な象徴としての役割を果たしてきました。この硬く白い貝殻に守られた貝は、北アメリカ大陸の大西洋側を原産地とし、”Hard Clam”という英名を持つことからも、その堅牢さがうかがえます。しかし、その硬さの中には、味わい深い濃厚なうまみが隠されています。

 

英語圏では成長するごとに名前が変わる「出世貝」としても知られ、「countneck」から始まり、最終的には「quahogs」や「chowder clam」と呼ばれるようになります。特に「chowder clam」は、アメリカを代表するスープ「クラムチャウダー」の主役として、その名を世界に轟かせています。このスープは、単なる貝のスープではなく、アメリカの多様な地域性を映し出す料理として、日本で一般的なクリームスープのニューイングランド風、トマト風味のマンハッタン風、魚介ベースのローランド風と様々なバリエーションを楽しむことができます。

 

ちなみにクラムチャウダーのクラムは「貝(Clam)」ですが、チャウダー(chawder)は元々はフランス語で「大鍋」を意味し、この二つを合わせてクラムチャウダー(貝のスープ)となります。

 

 

ホンビノス貝の名前の謎を解き明かす:古代神話から現代への旅

ホンビノス貝、この響きにはどのような物語が隠されているのでしょうか?この貝の名前には、古代ローマ神話と生物学的な変遷が織り成す、興味深い背景があります。現在「Mercenaria mercenaria」として知られるホンビノス貝ですが、日本におけるその名前の起源は、なんと美の女神ヴィーナスにちなんでいます。初めて日本でその存在が認識された際、この貝は「Venus mercennaria」という学名で呼ばれ、ヴィーナスに由来する「美之主」という雅な日本語名が与えられました。

 

しかし、物語はここで終わりません。この貝は、学名の変更を経て「Mercenaria」属に分類されるようになり、北海道に生息するビノスガイと同じ属に属することとなりました。また、それに伴い学名も「Mercenaria mercenaria(メルケナリアの中のメルケナリア)」となり、この変化が、現在のホンビノス貝の名前に影響を与えることになります。

 

「本」という文字が加わり、「本美之主(ホンビノス)」という名前が誕生したのです。この名前には、真の美しさを象徴するような深い意味が込められています。

 

 

日本にはいつからホンビノス貝が生息している

そんな日本でホンビノス貝が初めて見つかったのは1998年の千葉県です。その後大阪湾でも徐々に増えていきました。

ホンビノス貝が北アメリカの西海岸から日本にきた経路はハッキリしていませんが、おそらく船を安定させる為の重しとしてのバラスト水(海水)にホンビノス貝の稚貝が混じっていて、日本で貨物を船に積み込む際に、バランスを取ると為に、ホンビノス貝の稚貝ごとバラスト水(海水)を排出して定着したと考えらえれています。

 

発見当初は、アサリの漁場近くに生息していて繁殖力が強いことから邪魔な外来種と漁業関係者から扱われていました。しかし、その後その身に詰まったうま味に気づき、2005年から漁獲が始まり、2015年にはホンビノス貝の漁業権も本格的に新たに設定されました。2017年には「三番瀬産ホンビノス貝」として千葉県が「千葉ブランド水産物」に指定されています。

 

 

ホンビノス貝の生態と、それに合わせた調理前の最適な下準備

ホンビノス貝の特徴と、その生息場所

ホンビノス貝は、その独特の特徴と生息環境で知られる、海の美味しさを凝縮した宝石です。白くて厚みのある貝殻の中には、肉厚でやや固めの身が詰まっており、その中には想像を超える濃厚なうまみが秘められています。サイズも多様で、小さなものでは5cmから、大きなものでは10cmにも及ぶことがあります。

 

特に注目すべきは、ホンビノス貝が生息する環境です。通常のアサリやハマグリが好む砂地とは異なり、ホンビノス貝は海底の泥の中にその住処を構えています。これが、ホンビノス貝独自の風味と食感を生み出す特徴の一つとなっています。

 

調理の下準備「砂抜き」ではなくホンビノス貝の「もや抜き」

砂地ではなく泥に住んでいる為、貝殻内に砂が入っていることはほとんどありませんが、代わりに体内に泥が残っている場合があります。その為、ホンビノス貝同士の貝殻をこすり合わせる様に流水で洗ってから、海水と同様の3%の塩水を作りホンビノス貝を入れて「砂抜き」ならぬ泥を出す「もや抜き」を行います。

 

この「もや抜き」の際にザルなどにホンビノス貝を入れて、容器底と貝が離れているようにすると、吐き出した泥を更に吸い込むのを防止できます(他の貝の砂抜きでも砂を再度飲まないように行われます)。

 

また、ホンビノス貝を活発に活動させるためには、貝の自然な生活環境をまねして、光を遮断してあげることが効果的です。この状態で1時間程度放置することで、貝は内部の泥を吐き出し、調理に適した状態になります。塩分が気になる方は、もや抜き後に貝を流水でさっと洗い、さらに1時間程度、真水に浸して塩を抜くこともおすすめします。

 

 

ホンビノス貝のもや抜き方法まとめ

  1. ホンビノス貝同士の貝殻をこすり合わせながら流水で洗う。
  2. 海水と同様の濃度である3%の塩水を用意する。(1リットルの水におよそ30gの食塩を入れると約3%の塩水が作れます)
  3. ざるにホンビノス貝を入れて、底面から離して塩水に入れる。(再度、泥を飲み込まない様にする為)
  4. ホンビノス貝が活動的になって、より泥を吐き出しやすくなる様にふたをして光を遮断する。(生息環境に近くしてあげると活発になり、よりはやく吐き出す)
  5. そのまま1時間程度、この状態でホンビノス貝を放置すればもや抜き完了。
  6. 塩水の塩分が気になる場合は、軽く流水で水洗いしてトレーに1時間放置して塩出しする。

 

ホンビノス貝の持つ豊かな味わいと、その調理における小さなコツが、あなたの食卓を一層豊かに彩ることでしょう。

 

 

ホンビノス貝の健康メリット

ホンビノス貝に含まれる豊富な栄養成分に寄って美容に良いだけでなく様々な健康効果があります。この章ではホンビノス貝の健康メリットについてご紹介します。

 

うま味成分だけじゃないコハク酸

アサリやハマグリなど貝類に含まれるうま味成分で、実はホンビノス貝にはこのコハク酸がトップクラスに多く含まれています。そしてこのコハク酸は、ただのうまみ成分ではありません。

 

昨今の研究により、コハク酸はエネルギー代謝に関わっており、エネルギーが効率よくできることによって疲労回復に効果が期待されるだけでなく血流を改善し、肌の保湿や新陳代謝、血流改善による老廃物の除去や、新陳代謝の向上に寄って脂肪燃焼効果と美容に非常にありがたい効果が期待できます。また2009年に広島大学の研究に寄って「がんの増殖の抑制効果」が発見されました。

 

このように美容だけでなく、多大に健康に良いコハク酸を多く含む貝がホンビノス貝なのです。

 

必須微量ミネラルの亜鉛

亜鉛は、我々の体内の皮膚、骨、筋肉、歯、肝臓などの臓器などに含まれ、たんぱく質の合成に必要な必須なミネラルです。その為、健康な肉体の維持には必要不可欠なミネラルで、成長期の子供はもちろん、味覚を感じる味蕾細胞の維持、傷を修復したり健康な皮膚を生み出すのに必須のミネラルになります。また男性の生殖機能にも必要な栄養素になります。

 

ただし、通常の食生活で過剰摂取になることはほとんどありませんが、サプリなどを併用して、亜鉛の過剰摂取すると急性亜鉛中毒を引き起こしめまい・吐き気・胃の障害などが引き起こされますので、サプリなどを補給する時は、亜鉛摂取量については重々注意しましょう。そしてもし体調が悪くなったら速やかに医療機関に相談しましょう。

 

美容にも大切、肝臓機能アップさせるタウリン

ホンビノス貝に含まれているタウリンには肝機能を高めてくれて、アルコールの代謝はもちろんのこと、その他の活性酸素などの毒素も肝臓で無毒化させています。肝臓が活性化すると全身に溜まりった毒素が減り美肌になるだけでなく、老化も予防できます。また、肝臓は基礎代謝量の27%を担っているので、肝臓の活性化は基礎代謝量に増加に繋がり、ひいては体重維持やダイエットにも効果が期待できます。

 

この様にタウリンを含んだホンビノス貝を取り入れることによって、肝機能改善により、美容も含めた身体に良い効果が様々期待できます。

ホンビノス貝を安全に楽しむための重要なポイント

ホンビノス貝は、その豊富な栄養価で知られていますが、その美味しさを最大限に引き出すためにはいくつかの注意点があります。特に、この貝に含まれる水溶性の栄養素は、加熱調理する際に注意が必要です。みそ汁や酒蒸し、スープなど、調理法を工夫することで、これらの貴重な栄養素を逃さずに摂取することができます。

 

さらに、ホンビノス貝だけでなく、貝類全般を扱う際には常に警戒すべき「貝毒」についても理解しておく必要があります。有毒なプランクトンを摂取した貝による麻痺性貝毒や下痢性貝毒は、加熱しても無毒化されないため、特に注意が必要です。

 

市販されているホンビノス貝は、生息海域の毒素検査が定期的に行われており、安全性が確認されたもののみが販売されています。しかし、自分で潮干狩りなどをして採取した貝は、このような検査を受けていない可能性があるため、万が一食後に体調不良を感じた場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。

 

 

ホンビノス貝まとめ

1998年から徐々に日本で増えてきたホンビノス貝、当初は厄介な外来種という扱いでしたが、貝のうま味と健康効果、そして何より他の貝より安価なこともあって、徐々に人気を得てきております。

 

その健康効果には様々な美容に良い効果の他に、ガンの予防や毒素の分解、疲労回復など、人体に良い栄養がたっぷり含まれています。その栄養素は水分と外に抜け出してしまう物が多いので、是非みそ汁やスープ、酒蒸しにしてスープごと戴くか、浜焼きにする時はあふれ出る汁まで美味しく戴きましょう。ただし、重ねてお伝えしますが貝毒、特に麻痺性貝毒で重篤になると命に関わる可能性がありますので、市販以外の貝を食べる時はよく気をつけて召し上がってください。

 

 

城戸憲司

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