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「サトイモ」6つの健康効果

知られざるサトイモの6つの健康効果

 サトイモ東南アジア原産の多年生植物で、日本には縄文時代中国経由で伝来したと言われています。実は日本で一番古い「芋」なのです。

 そんなサトイモですが、エネルギー源になる炭水化物の他に、実は様々な成分によって6つの健康効果があることをご存じでしょうか?今回はその健康効果と、実は名前を間違えれ続けていた成分の話をご紹介します。

 

 

「コレストロールを下げる」

 サトイモ特有のネバネバ、その成分である「ガラクタン」という糖質とタンパク質が結合した水溶性食物繊維と、こんにゃくにも含まれる「グルコマンナン」という水溶性食物繊維があります、どちらの成分も血中のコレストロールを下げてくれる効果があります。

 

「高血圧の予防」

 サトイモに含まれる「ガラクタン」には血圧を下げてくれる効果も期待できます。またサトイモには100g当たり640mgと豊富にカリウムを含んでいます。カリウムは体内のナトリウムを排出して血圧を下げてくれることに効果が期待されます。

 

 

「肥満予防」

 サトイモに含まれる「ガラクタン」「グルコマンナン」は両方とも多糖類ですが、人間では消化できない多糖類になり、分解できないので「脂肪」にもなりません。また「ガラクタン」には他の糖質を吸収するのを抑制し、血糖値が上がるのを緩やかにしてくれて、急激な血糖値の変化による脂肪生成を抑制してくれます。

 

 

「便秘予防」

 サトイモには「ガラクタン」「グルコマンナン」の他に「粘液糖たんぱく質混合物(以前は“ムチン”と呼ばれていた)」という水溶性食物繊維が含まれています。これらの3つの水溶性食物繊維は腸内の善玉菌のエサになり活性化するので、腸内環境が改善され便秘の予防に効果が期待されます。

 

 

「粘膜保護」

 サトイモに含まれる「粘液糖たんぱく質混合物」には胃の粘膜を保護、胃の炎症、胃の潰瘍の予防、腸壁の潰瘍の予防に効果があると言われています。

 

 

 

「タンパク質の吸収促進」

 「粘液糖たんぱく質混合物」には食物に含まれるたんぱく質を分解し、効率よくタンパク質を吸収するのを助けてくれる効果が期待できます。

 

 

「ムチン」じゃないの?

 「粘液糖たんぱく質混合物」、以前は「ムチン(mucin)」と呼ばれていることもありました。それは誤りでした。なぜなら「ムチン」は動物由来の多糖たんぱく質で「唾液」や「胃液」などの動物の粘液のことを指す言葉を誤用していたそうです。

 現在、植物由来の粘液は「粘液糖たんぱく質混合物」もしくはmucilage(ミューシレッジ)と呼んでいる。サトイモのネバネバ成分はガラクタンという多糖に分類されます。

 

 

サトイモ調理のコツと保存のポイント

サトイモの調理のコツ

 調理において「ぬめり」には「ガラクタン」や「粘液糖たんぱく質混合物」など有益な成分が多量に含まれています。それなのでなるべく「ぬめり」を落とさない様に、皮を剥いてから塩もみし2~3分下茹でしてから調理しましょう。

 

もし手が痒くなったら

 サトイモを調理していると、手が痒くなったりします。これはサトイモに含まれる「シュウ酸カルシウム」という針状結晶が手の表面に刺さって起こる痒みです。「シュウ酸カルシウム」はアルカリ性になると溶けてしまう性質があるので、手に食用の重曹(アルカリ性)を付けて調理すると、痒みを予防できます。

 余談ですが、サトイモの茎を乾燥させた食品に「いもがら」とか「ずいき」と呼ばれる食べ物があります。ただし普通のサトイモの茎は「シュウ酸カルシウム」が多すぎてアクが強く食用の「いもがら」にはなりません。「いもがら」にはアクが少ない「八つ頭」の茎が使われています。

 

 

サトイモの選び方・保存のポイント

 サトイモは固く締まっている物は鮮度が良く、縞模様がより等間隔の物は土中でのストレスが少なく美味しい傾向があります。表面は洗ってあるものよりも土が着いたままの物の方が保存に向いています。サトイモは湿度と温度の変化に弱いので、新聞紙などで包んで野菜室に入れれば2週間くらいは保存が可能です。

 

まとめ

 縄文時代から日本の伝統的なお芋である「サトイモ」その健康効果は「コレストロールを下げる」「高血圧の予防」「肥満予防」「便秘予防」「粘膜の保護」「タンパク質の吸収の促進」の6つの健康効果がありました。

 サトイモは、その品種によって旬が晩夏から冬までと異なり、一番早いのは8~9月の「石川早生」、9~10月の「土垂」、年末12月に旬を迎えるのが「セレベス」や「八つ頭」になります。ちょうどこれから旬を順番に迎えるサトイモをこれを機に食べて健康になっていきましょう。

 

城戸憲司

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