夏野菜の定番「トマト」。そのまま食べても美味しいですが、他の食材と合わせたミートソースやサンドイッチの定番BLT(ベーコン、レタス、トマト)など、組み合わせによって、そのうま味が倍増して感じると思います。
それはトマトと昆布、野菜と海藻と共通点が無さそうに見えて、実は意外な共通点が他の食材と組み合わせることによってうま味を向上させるのです。それがトマトと昆布の両方に含まれている3大うま味成分のひとつでありタンパク質を合成するアミノ酸の1種である「グルタミン酸」です。。
トマトには100gあたり150~250mgのグルタミン酸が含まれています。(昆布は品種によって異なりますが100gあたり1000~3500mg)
うま味成分の豊富なトマトは、日本人が昆布で出汁を取るように、西洋においてはホールトマトやトマトピューレ、ドライトマトなどにして料理にグルタミン酸を利用してうま味をアップさせてきました。そんなトマトのうま味や栄養素について、この記事では上手に使う方法や摂取する時のポイントをご紹介します。
トマトに含まれるうま味グルタミン酸、そのうま味効果を最大限に活かすには、残りの3大うま味成分である「イノシン酸」と「グアニル酸」を一緒に摂ること、イノシン酸は動物性のうま味成分なので肉や魚から、グアニル酸はキノコ類に含まれるうま味成分。
和食でも昆布(グルタミン酸)と鰹節(イノシン酸)から取る「合せ出汁」は基本となっています。単体のうま味成分より、複数のうま味成分を掛け合わせた方が、よりうま味を強く感じ美味しくなります。
つまり暑い夏にはトマトとお肉とキノコを入れたトマトカレーなんかは最高の組み合わせと言えます。
料理に使われるトマトの缶詰(ホール・カット)と生野菜のトマトで栄養素に違いがあるのでしょうか?実はまったく変わらない栄養素、加工することによって増える栄養素、そして加工したら減ってしまった栄養素とがあります。この章では基本的な栄養素から増える栄養素、減ってしまう栄養素について解説します。
加工することによって効果が上がるトマトの栄養素
実はリコピンは生食するよりも、脂溶性の栄養素なので、肉類などと一緒に加熱した方がより効果的に栄養素を摂取することができます。もしリコピンの力を最大限に摂取するのであれば、トマト缶を使った料理やトマトジュースを利用すると効果的です。
また、高血圧の改善に効果があるカリウムも、トマト缶やトマトジュースなどを作る際の過熱により濃縮されるので、生食よりトマト缶やトマトジュースの方が少量で多くのカリウムを摂取することが出来ます。
加熱加工によって効果が上がる栄養素がありますが、その代わりにビタミンCは、熱に弱いので加熱することにより生の時のおよそ半分まで減少してしまいます。ビタミンCの摂取を目指すのであれば、加工したトマト以外に、トマトの生食もするのが効果的です。
その他の栄養素であるビタミンAやビタミンEは過熱による変化はないので、生食でもトマト缶などでも変わらず摂取することができます。
トマトの栄養素は生食と加熱で変化する栄養素があります。上手に栄養素を摂取するポイントは次の2点
夏野菜の代表格のトマト、そのうま味成分は日本人にもなじみの深い昆布だしのうま味成分と同じグルタミン酸でした。そのうま味をよりアップさせるにはグルタミン酸以外のうま味成分である動物性のうま味イノシン酸や、キノコのうま味成分であるグアニル酸を一緒に取ってあげること。
例えばポークカレーにトマトジュースを追加してあげるだけで、うま味はグンとアップておいしくなります。また豚の脂によって脂溶性栄養素であるリコピンを溶け出させて、更に効率よく吸収してくれ、リコピンの抗酸化、免疫力アップなどなど様々な恩恵をもたらしてくれます。
そこに生のトマトのサラダを追加すれば加熱で失われてしまったビタミンCも補充出来て、更に抗酸化力がアップし、夏の紫外線などによってダメージを受けた細胞の老化を改善してくれることが期待できます。
せっかくの真っ赤なトマトを生でもトマト缶やトマトジュースのような加工品でもうまく利用して、健康的に夏を乗り越えていきましょう。
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