近年、地球温暖化もともなってか、日本でも夏場は体温を超える様な酷暑の場所が増えてきました。そんな時に、普段主役ではなく、わき役として料理に彩られている「キュウリ」。実はキュウリは含まれる成分によって暑さ対策にもなる名わき役な野菜です。
きゅうりには東洋医学としても体を冷やす野菜と言われています。またキュウリに含まれる栄養素は身体を冷やすだけに留まらず、健康を維持するのに欠かせない素晴らしい栄養素が多く含まれています。
今回の記事では、東洋医学の視点、栄養素からの視点、その両方からきゅうりの素晴らしさをご紹介致します。
キュウリは「身体を冷やす」と言われる野菜のひとつです。それは東洋医学における「陰陽論」に基づく考えです。
陰陽論では
と分類されます。また体を冷やす陰性食品は特徴として、南方原産である、旬が夏、水分が多いといわれています。キュウリの特徴は
まさに東洋医学でいう陰性食品の特徴が揃っています。
さて、これらを科学的に考えると、キュウリが身体を冷やす理由は以下の2点になると考えられます。
ただし、カリウム過多は腎臓に負担になる場合もあります。腎臓に心配がある方は、キュウリに限らず過剰にカリウムを摂取するのは控えましょう。
きゅうりはその体積の95%以上が水分を占めていて前述のように、暑い時期に水分補給しながら体を冷やすのにはもってこいの野菜です。しかし実はキュウリには、水分の他にも健康を維持するのに欠かせない素晴らしい栄養素を含んでいます。
胡瓜だけじゃない水分が多いのに健康に良い「レタスの健康効果」のブログはコチラから←
例えばビタミンCやビタミンK、カリウム、食物繊維。この章では、そのキュウリの栄養成分から、どのように健康に活かしていけるのかひも解いていきます。
きゅうりには100g当たり14mgのビタミンCが含まれています。ビタミンCは免疫機能を健全に保ち病気の予防に効果があるだけでなく、細胞が紫外線などによって劣化するのを予防する抗酸化効果もあります。
また皮膚や粘膜の代謝を促すだけでなく、皮膚でシミやそばかすの原因になるメラニン色素の過剰生成を抑える効果も期待できます。これにより若々しく明るい肌を維持するのにビタミンCは大切な効果を発揮します。
そして貧血予防に必要な鉄分を効率よく体内に取り入れるにもビタミンCは不可欠です。ただビタミンCの効果は熱に弱い場合が多いので、サラダなどで生食する機会の多いキュウリのビタミンCは鉄分補給を手助けしてくれるベストパートナーの1つと言えます。
この様に、きゅうりにも含まれるビタミンCは若々しく元気に活動するのに必要な栄養素の1つです。
きゅうりに含まれているビタミンKには血管が傷ついたりした時にふさぐ凝固に不可欠の栄養素です。ビタミンK不足は失血しないためにみ重要になります。また動脈内が石灰化して硬くなるのを防ぐ効果がビタミンKにはあるという研究もあります。
そしてビタミンKは骨にカルシウムを定着するのを助ける効果があります。骨にあるオステオカルシンというたんぱく質にビタミンKが作用し、このたんぱく質が骨にカルシウムを定着させて丈夫な骨格を形成してくれます。
基本的にビタミンKは腸内細菌が産生してくれるので不足になりにくい栄養素ですが、植物が生成しているビタミンKもしっかり取り込んで、万全を期していきましょう。
前章でもご紹介しましたが、カリウムは体内に溜まったナトリウムを排出することによって、体内の濃度を下げ、それに伴い体内を一定に保とうとするホメオスタシス(恒常性)によって、水分が排出され、血圧および細胞内の余分な水分(むくみ)を改善してくれます。
また、筋肉を動かすのにカリウムとナトリウムが必要となります(ナトリウムポンプ)。適切なカリウムの摂取は、体内のナトリウムとカリウムのバランスを整えてくれて、筋肉がつるなどの筋肉異常を予防してくれます。
きゅうり100g当たりには不溶性食物繊維0.9g、水溶性食物繊維0.2gあわせて1.1gの食物繊維が含まれています。これはキュウリ同様にほぼ水分と言われているレタスと同じくらいの食物繊維料です。
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エネルギー | 水分 | たんぱく質 | 脂質 | 食物繊維 | 炭水化物 |
13kcal | 95.4g | 1g | 0.1g | 1.1g | 2g |
ナトリウム | カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 |
1mg | 200mg | 26mg | 15mg | 36mg | 0.3mg |
亜鉛 | 銅 | マンガン | ヨウ素 | セレン | クロム |
0.2mg | 0.11mg | 0.07mg | 1㎍ | 1㎍ | 1㎍ |
モリブデン | βーカロテン | ビタミンD | ビタミンE | ビタミンK | ビタミンB1 |
4㎍ | 330㎍ | 0㎍ | 0.3mg | 34㎍ | 0.03mg |
ビタミンB2 | ナイアシン | ビタミンB6 | ビタミンB12 | 葉酸 | パンテトン酸 |
0.03mg | 0.2mg | 0.05mg | 0㎍ | 25㎍ | 0.33mg |
ビオチン | ビタミンC | 食塩相当量 | |||
1.4㎍ | 14mg | 0g |
きゅうり 栄養成分100g当たり【出典:文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年】より
健康によいキュウリ、せっかくなら美味しいキュウリの見極めて美味しく健康になりたいですね。その為のチェックポイントは以下の3点です。
以前は、「農薬」と勘違いされていたキュウリの表面にある白い「ブルーム」。最近はそのブルームによってキュウリの水分が飛ばない様に守ってくれる天然成分ということも皆さんに知られてきて、ブルーム付きのきゅうりも少しずつ人気が出てきているようです。
もし見かけたら、そのみずみずしいキュウリで暑い夏を乗り越えてください。
キュウリは暑い夏に欠かせない健康野菜です。以下にその主な健康効果をまとめました。
1.身体を冷やす効果:
2.カリウムの効果:
3.ビタミンC:
4.ビタミンK:
5.食物繊維:
キュウリはその多くの健康効果から、夏の酷暑を乗り切るための強力な助っ人となります。これからの季節、美味しいキュウリをたくさん取り入れて、健康な生活を送りましょう。
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