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実は夏野菜の女王様クレオパトラも愛した「モロヘイヤ」

クレオパトラも愛した野菜

 

 エジプトが有名ですが、実はインド原産のモロヘイヤ、インドからエジプトに交易で渡り、その後大人気に。その理由のひとつに古代エジプトの王様が病気になった時にモロヘイヤのスープを飲んで回復したことから王様の野菜」と呼ばれるようになり一気に広まりました。

 古代エジプトで使われていたコプト語で「モロハヤ(molokhia)」と言い、後にアラビア語で「ムルキーヤ(molokheiya)=王家の野菜」となり現在のモロヘイヤ(英語:Moroheiya)になりました。

 日本には昭和30年(1950年代)頃に入ってきたそうですが、なかなか定着せずにいましたが、1980年ごろに「全国モロヘイヤ普及会」が設立され、徐々に日本全国に広まっていきました。

 

夏の暑さに打ち勝つ栄養満点

 カロテンやビタミンの含有量は野菜の中でもトップクラスで「美の野菜」とも呼ばれ、あのクレオパトラも好んで食していたそうです。

 

 モロヘイヤに含まれる主な栄養素は

  • βカロテン:強力な抗酸化物質です。体内でビタミンAに変換され、視力の保護免疫機能の向上皮膚の健康維持に役立ちます。また、βカロテンは紫外線によるダメージから肌を保護し、細胞の老化を遅らせる効果もあります。さらに、βカロテンはがんや心血管疾患のリスクを低減する可能性があります。
  • ビタミンC:ビタミンCは体内で生成することが出来ない栄養素です。その効果は抗酸化作用により細胞を保護し、免疫機能を向上させ、コラーゲンの生成を促進して皮膚や細胞の健康をサポートする他にも、鉄分の吸収を助けて貧血をよぼうします。
  • ビタミンE:ビタミンEも素晴らしい作用を持っており、細胞の酸化だけでなく、血管を保護し血液循環を改善する効果があります。また抗炎症効果があり関節炎などの炎症に効果が期待されるほかに、皮膚の潤いを促進させ夏の強い日差しから皮膚を守ることが期待されます。
  • 葉酸:葉酸は細胞分裂や成長の促進させ、赤血球を増やすことで貧血予防し、心血管系の健康維持神経伝達物質の合成に関係することによって神経系の機能改善させるなど、重要な役割を果たします。特に妊娠初期や成長期、高齢者などは葉酸の適切な摂取が重要です。
  • 食物繊維:モロヘイヤに含まれるネバネバには多くの水溶性食物繊維のペクチンを含み、その効果によって便通の改善や、胃の粘膜の保護、血糖値やコレストロール値の上昇を抑えてくれます。

 夏の暑さや強い紫外線に打ち勝つのに心強い栄養素がたくさんある、それが「モロヘイヤ」になります。まさに「王様の野菜」ですね。

 

 

 

モロヘイヤの栄養を逃さず取る調理法

 そんな王様の野菜モロヘイヤですが、調理する時に2点の注意点があります。

茹でる時は短時間

 ビタミンCや葉酸、水溶性食物繊維は、水に溶けだしてしまうので、長時間茹でてしまうと、煮汁に溶けだし捨ててしまうことになるので、短時間でサッと茹でてしまうことが良いです。または古代エジプトの王様の様にモロヘイヤのスープやみそ汁にして汁ごと飲んでしまえば残さず摂取することができます。

油と一緒に調理する

 モロヘイヤに含まれるβカロテンやビタミンEは油と調理することで、その油に溶けだしてその油と一緒に体内に摂取されますので、ベーコンと一緒にスープにして脂身を溶け出させるも良し、最後にオリーブオイルやえごま油やアマニ油などオメガ3系脂肪酸と一緒に摂っても良いと思います。

 

 

家庭菜園で収穫する時はちょっと注意

 実はモロヘイヤの種や成熟中の種子、成熟種子の莢(さや)に強心作用のある成分ストロファンチジンが含まれています。少量でもめまいや嘔吐などの中毒を起こします。ただし、市販のモロヘイヤの様に収穫期の葉、茎、根の各部位並びに蕾(つぼみ)発生期の葉、茎、根、蕾の各部位には含まれていないので、市販のモロヘイヤでの健康被害の心配はありません。

 家庭菜園でモロヘイヤを育て収穫する時は、必ず収穫時に種子やその種子を包む莢(さや)が無いことを確認してから調理してください。

 

 

 夏野菜の王様「モロヘイヤ」市販の物は心配ありませんが、家庭で育てる時は十分注意して、その健康成分を摂取しましょう。

 

 

城戸憲司

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