たけのこ、その春の訪れを告げる竹林の宝。この季節特有の味わいと香りは、日本の食卓に欠かせない彩りを添えます。その独特の食感と栄養満点の栄養素は、昔から愛され続ける理由です。今回は、この旬の逸品の魅力を掘り下げ、新鮮なたけのこの見分け方から保存方法まで、そのすべてをご紹介します。
たけのこ堀りだけじゃない「うどんの起源を深堀り(ブログ)」
まず、たけのこの魅力はその食感と風味にあります。栄養価も高く、食物繊維やビタミン類、ミネラル類が豊富に含まれているため、健康にも良い食材です。この章ではたけのこの素晴らしい健康効果の数々をご紹介します。
エネルギー | 水分 | たんぱく質 | 脂質 | 食物繊維 | 炭水化物 |
31kcal | 89.9g | 3.5g | 0.2g | 3.3g | 5.5g |
ナトリウム | カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 |
1mg | 470mg | 17mg | 11mg | 60mg | 0.4mg |
亜鉛 | 銅 | マンガン | βーカロテン | ビタミンB1 | ビタミンB2 |
0.2mg | 0.06mg | 0.13mg | 12㎍ | 0.04mg | 0.09mg |
ナイアシン | ビタミンB6 | ビタミンB12 | ビタミンK | 葉酸 | パンテトン酸 |
0.6mg | 0.06mg | 0㎍ | 2㎍ | 63㎍ | 0.63mg |
ビタミンC | |||||
8mg |
たけのこ(ゆで)栄養成分100g当たり【出典:文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年】より
実はたけのこには食物繊維が豊富と言われるレタスなどの野菜の2倍、不溶性食物繊維を含んでおります。この食物繊維は水分を含んでで膨らみ腸を刺激することによって排便を促してくれます。
また腸内は免疫細胞が70%も集中している場所になります。その理由は食物などと一緒に入ってくるウィルスや病原菌と戦う為。この為、たけのこなど食物繊維が豊富な食材を摂ることによって、腸内環境を良好にすることは、免疫細胞にとってもプラスに働きます。
そして、最近の研究により、腸内から幸せホルモンと言われるセロトニンを生成するのに必要なトリプトファンという物質が作られています。腸内環境を改善することはメンタルヘルスにとっても重要なことになります。
たけのこには野菜の中でもトップクラスにカリウムを含む食材です。カリウムは体内の塩分由来のナトリウムを排出し、その結果濃度を一定に保つ為、血液内の水分も排出されて血圧を下げてくれます。
たけのこには肉類や魚類に比べたら少ないですが、100g当たり3.6gのたんぱく質を含みます(だいたい豆乳と同等)、たんぱく質は身体の筋肉や臓器の材料となる重要な栄養素です。たしかに竹だけを食べているパンダもその大きな体を維持できているのは、竹(たけのこ)に含まれるたんぱく質のお陰とも言えますね。
たけのこの中心部で白い粉の様に見える成分を「チロシン」といいます。このチロシンはアミノ酸の一種で、脳内神経伝達物質のドーパミンの原材料の一つです。ドーパミンは幸せを感じたり集中力を高めることに寄与する神経物質です。見た目が悪いと白い部分を外さずに一緒に摂ると良いでしょう。
実は大きくは変わりません、ただ唯一、水に溶けだす性質のあるカリウムだけは、およそ1/7と大幅に減ってしまいます。ただカリウムは他の野菜にも含まれていることが多いので、その他の残っている素晴らしい栄養素を考えると、水煮のたけのこも積極的に摂っていきたい食材です。
美味しいたけのこを食べて、その健康効果を是非取り入れていきましょう。
広く一般的に「たけのこ」といえばこの孟宗竹の幼株ことを指します。日本原産ではなく1600~1700年代に中国から、もしくは琉球からもたらされたという二つの説があります。北海道から沖縄まで広く分布しています。竹材としては弾力に欠けるので、建築や農業漁業には利用されますが、竹細工には使われません。
日本原産とも中国原産とも諸説ある真竹。本州から沖縄に分布しており、別名「苦竹」とも呼ばれていて、その名の通りたけのこに苦みがある為、一般的に食用として市場にはほとんで出てきません。しかし竹材としては弾力性に富んでおり、古来からの竹細工の材料やキレイな皮は食品を包む包装として利用されてきました。
東海から九州にかけて分布しており、細く割りやすい性質から、茶筅(ちゃせん)などの茶道具の材料として用いられることがあります。そのたけのこは美味しいと言われますが、希少で市場にあまり出回らないです。
ちなみに物事が勢いよく進むことを「破竹の勢い」と言いますが、これはこの淡竹とはあまり関係なく、竹を加工する際に、少しでも切れ目を入れれば一気に進むことに由来します。もちろん淡竹も茶道具の材料としても使われるので、待ったくむ関係でもありません。
今回ご紹介したのは一般的に有名なタケノコ3種のみですが、実はたけのこには日本国内でも約600種、全世界では1200種類近くあると言われています。
美味しいたけのこはやはり農家さんが探し出した朝取りの新鮮な物がダントツで美味しいです。新鮮かどうかを見極めるのにタケノコのどこを見れば分かるかポイントをお伝えします。
新鮮なたけのこを見分けるポイント
たけのこにもオス・メスがあります。見た目で細くまっすぐ伸びているのが雄株(おかぶ)、ずんぐりしていて大きいのが雌株(めかぶ)です。好みによりますが雌株の方が柔らかく、雄株は歯ごたえを楽しめます。
写真は左が雌株、右が雄株
収穫直後のたけのこは、えぐ味も少なくそのままお刺身で食べる食べ方もできますが、市販の物は徐々にアクが出てきて渋みを感じるようになります。美味しいタケノコを食べる為にも、正しくアクを抜いてあげましょう。
せっかくの旬のたけのこ、灰汁(あく)をちゃんと抜いて、美味しくいただきましょう。
アク抜きしたたけのこをすぐに使いたい時、もしくは大量にたけのこ戴いたので長期保存したい時で保存の方法が違います。
アク抜き後すぐに使う場合は、容器にタケノコ入れて空気に触れない様に水につけて冷蔵庫で保存しましょう。水を毎日交換していれば3日間くらいは美味しく食べられます(期間が長くなればなるほど食感とカリウムが失われます)
冷凍するとたけのこが膨張して水分が抜けてスカスカになってしまいます。それを予防する為に、水分と一緒に冷凍しましょう。その時にだし汁で味付けしておいてから冷凍すると、解凍後にそのまま食べても良し、混ぜご飯の具にしても良いです。
旬のたけのこは様々な健康効果ある上に美味しい食材です、ただたけのこの水煮でもカリウム以外の栄養素はほとんど変わりません。ただせっかくの旬の時期は、自身の好みに合わせてより美味しいたけのこを選んで、正しくあく抜きしてあげてください。
ご飯と一緒に炊き込むも良し、煮物にも良し、個人的には旬のたけのこで作るチンジャオロースはいつものチンジャオロースとは一味もふた味も違く美味しくておすすめです。
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